12/13(日) 5:00配信
オリコン

自身初の長編ドキュメンタリー映画『その男、東京につき』への思いを語ったラッパー・般若 (C)ORICON NewS inc.

 約24年のキャリアを誇り、“孤高のラッパー”としてヒップホップシーンで独特の存在感を放っている般若。2015年9月より放送が始まったテレビ朝日系のMCバトル番組『フリースタイルダンジョン』(現在は放送終了)では、約3年半にわたり初代“ラスボス”として君臨し、若者を中心としたシーンの人気を支えた。2019年1月には、東京・日本武道館にてワンマンライブ『おはよう武道館』を開催するなど、現在も第一線で目覚ましい活躍を見せている。今月25日より、自身初の長編ドキュメンタリー映画『その男、東京につき』が全国公開される。それに先駆けて般若にインタビューを敢行し、映画に込めた思いのほか、自身の活動や現在のヒップホップシーンについて語ってもらった。

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■自ら番組降板を申し出「俺はMCバトルの人間じゃない」

 『フリースタイルダンジョン』に出演する以前から、ヒップホップシーンにその名を轟かせていた般若。同番組に出演したことで、一躍“全国区”の知名度となった。自身もその影響について「ポジティブに言えば大きかったんじゃないですかね。ある意味、社会現象にまでなった。デカかったと思う」と好意的に受け止めた。

 一方で、2008年12月に大阪で開催された『ULTIMATE MC BATTLE 2008 決勝大会』で優勝して以降、MCバトルから遠ざかり、音楽活動に勤しんでいた自分が番組内で“ラスボス”と呼ばれることに違和感もあったと明かす。「全然ありますよ。それまでやってきた十何年の音楽活動は『何だったんだろう?』って思う瞬間もあった」と戸惑いを吐露。

 「俺はここ(MCバトル)中心の人間じゃないっていうのが元々あった。この話を受けたら、『この人はここの人間なんだ』っていう認識をされたような気がした。けど、当の本人は(MCバトルで)現役じゃない。やってはいたけれども、他の大会に出てる現役の人間が(番組に)たくさんいて、その人たちのことを考えた時に『ちょっと申し訳ないな』っていう気持ちになりましたね」と本音を漏らした。そして、番組が徐々に人気になっていくのと反比例するように、その違和感は次第に強くなっていった。「『あ、バブルになったな。絶対終わるわ、これ』って思ってた。だから自分の意志で辞めました。初期の段階からずっと引退を考えてましたよ。本当に続けた方だと思います」。

■映画オファーは喜びより不安「成功したと思ってない」

 この映画では、時代や流行に流されることなく、日本語によるラップにこだわり、その独特なリリックで日本のヒップホップシーン、そして音楽シーンに大きな影響を与えてきた般若の姿を描いている。壮絶ないじめを経験し、音楽との出会いとジレンマ、自殺をも考えた壮絶な過去。どん底から拾い上げた言葉は多くのファンを魅了し続け、ついに武道館ワンマンライブを成功させた。今まで語られることの無かった父への想いや、今後について赤裸々に語ったアーティスト・般若初の長編ドキュメンタリーとなっている。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/db0b63fd6eb708ad591d3c21e67baa18f0d7f80c
>>2続く