竈門さん、産屋敷さん、栗花落さん…鬼滅の刃で脚光 実在の難読名字さん心境は?

 さまざまなコラボ商品が売り出され、公開映画も好調な漫画「鬼滅の刃」。作品の特徴の一つに、竈門(かまど)や栗花落(つゆり)、胡蝶(こちょう)、不死川(しなずがわ)など、登場人物の個性的な名字が挙げられるが、その一部は、少ないながらも実在している。期せずして脚光を浴びた名字の持ち主は、空前の鬼滅ブームをどう見ているのだろうか。

※中略

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 作品には、神戸市北区山田町が発祥とされる難読名字の「栗花落(つゆり)」も出てくる。竈門炭治郎の同期にあたる鬼殺隊の女剣士、栗花落カナヲだ。

 同市灘区の栗花落敏彦さん(73)は「『らっかせいさん』と呼ばれるなど、初見できちんと読まれたことはまずありませんが、奈良時代までさかのぼる名前なんですよ」と解説する。

 敏彦さんが知る伝承の一つによれば、淳仁天皇に仕えていた地元の役人、山田左衛門尉真勝が白滝姫に恋をし、歌比べに勝って結ばれた。その時期が、栗の花が落ちる梅雨入りの頃だったことから天皇が新しい名字として与えたという。山田町には、夫妻にちなんだエピソードが残る井戸「栗花落(つゆ)の井」が現存し、姓の由来とする説もある。

 敏彦さんによると、同じ「栗花落」姓でも、本家筋は「つゆ」と読み、敏彦さんら分家筋は「つゆり」と読むそうだ。

 「鬼滅の刃にどうこう言うつもりはありませんが、『漫画に出てくる名前』として認識されるのはちょっと…。1300年の歴史をへて、今に伝わる由緒をきちんと分かってほしい」

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 主人公と同じ「竈門(かまど)」姓の女性(77)も、播磨地域にいる。

 今春、テレビ局からの問い合わせをきっかけに作品を知ったが、関心は高まらなかったという。

 内容を確認しようと本屋に立ち寄ってみたものの、帯が付いていて立ち読みできず、「買うほどではない」と断念。アニメの再放送を知ってテレビを付けたが、眠くなって途中で見るのをやめた。

 「この年齢になって、今更名前が注目されてもね。そっとしておいてほしいというのが本音です」と苦笑する。

 ユニークな登場人物の名字について、単行本を出版する集英社広報部は「架空の世界を舞台とした漫画では、身近な名前を使わないのが一般的」と説明。個別の名字を選んだ経緯については「創作の秘密に関わる事項は回答していない」とした。

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※以下略、全文・画像はソースからご覧ください。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202011/0013883100.shtml
2020/11/22 11:00神戸新聞NEXT