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選手兼任コーチとして奮闘する本間さん。囲み写真は斎藤から贈られたグラブ(提供写真)

 現役続行が決まった日本ハム・斎藤佑樹投手(32)に、かつてのライバルがエールを送った。プロ10年目の今季、一軍登板ゼロに終わった斎藤はシーズン終盤に古傷である右ヒジの痛みが増し、オフに「PRP療法」による治療を決断。置かれた立場はいよいよ厳しくなる一方だが、2006年の夏の甲子園決勝で斎藤と死闘と繰り広げた駒大苫小牧の元主将・本間篤史氏(32)は、自身が19年にクラブチームでの現役復帰を決めた際、斎藤からかけられたこんな言葉が印象に残っているという。


「斎藤からは『30歳を過ぎてる人間が泥んこになりながら頑張ってる姿は励みになる、頑張ろう』と言われました。プロの世界で頑張ってる人間に言われたのでうれしかったですし、余計に頑張るぞ、と火が付きましたね」

 それだけでなく自身が使用していたグラブも復帰祝い≠ノプレゼントしてくれたそうで「『これって使ってないグラブなの?』と聞いたら、斎藤は『バリバリ一軍で使ってるやつだよ!』と、ほぼメインで使ってたような品を送ってくれた。そのグラブを使っていると、練習前にどれだけ疲れていても『負けてられない、弱音なんか吐けない!』と気合が入るんですよ」。

 だからこそ斎藤にはこの逆境を乗り越えてほしいという。

「やっぱり、僕たちの代のスター、トップなんで、自分でやめるってことは絶対してほしくない。投げすぎて肩が上がらなくなるまでやってほしいし、いけるところまでいってほしい。ボロボロになってどうしようもなくなったら、自分がいるクラブチームで一緒に野球をしよう! と伝えたいですね」と、万が一の場合は自身が選手兼任コーチとして所属する北海道のクラブチーム「TRANSYS」でのプレーを呼び掛けた。

 さらにはこんな夢もある。「斎藤や田中将を含めたあの時のメンバーとは『もう1回あのチームで、甲子園で対戦したいな』と話しているんです。10年後くらいに実現できれば…。自分はそれまで現役を続けて体を維持します!」。

 同期の熱い思いを投球に込め、斎藤は再起できるか。

2020年11月12日 05時15分
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