ロサンゼルス・タイムズ紙で25年間エンゼルスを取材しているマイク・ディジオバンナ氏(57)がスポニチ本紙の取材に応じ、右肘の違和感を訴えた大谷について、今季は打者に専念すべきと提言。
また、球団は二刀流継続について、本人と話し合う時期に来ていると語った。

MRIの結果次第だが、大谷は残り試合は打者に専念すべきだと思う。PRP(多血小板血しょう)注射で組織を再生させ、回復を待つやり方もあるが、今季は60試合制で、もう50試合しか残っていない。
すでに大谷登板の2試合はブルペンに負担を強いてしまったし、チームも大谷もそこに大事な時間を割くべきではない。大谷は18年9月に右肘靭(じん)帯を痛めたが、その後はDHで出場し続けて
大活躍した。彼はバットでも十分に貢献できる。

二刀流への挑戦は魅力的で、彼は1年目の最初の2カ月間でその才能があることを証明した。私自身も再び、大谷の二刀流を見たい気持ちはある。しかし、過酷なMLBではやはり、体が持ちこたえ
られない。今回のトミー・ジョン手術のリハビリも、途中で膝の手術が入ったことで長引いてしまった。もし野手で試合に出場せず、投手のリハビリに専念していれば、もっと早く復帰できただろう。
今後も同じ不安は常につきまとう。

大谷はMLBでも桁外れのパワーを持ち、打者に専念すれば40〜50本は本塁打を打つだろうし、スピードもある。マイク・トラウトとともに長くエンゼルスを引っ張れる野手になれる。おそらく、エンゼル
スは大谷が球団を選ぶ時、二刀流で成功できるよう100%協力すると約束を交わしたのだろう。だが、もし仮にMRIの結果が悪く、再びトミー・ジョン手術が必要となれば、投手として復帰するのにまた
長い時間がかかってしまう。選手としては一番いい時期の26歳。球団は、大谷本人と将来について話し合う時期に来ている。

◆マイク・ディジオバンナ コネティカット州イーストライム出身の57歳。カリフォルニア州立大フラートン校を経て81年ロサンゼルス・タイムズに入社し、ドジャース、エンゼルスの番記者を歴任した。
現在は遊軍。


スポニチ
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