セクシュアルマイノリティであることをオープンにして活動するアイドルたちが徐々に増えている。

 AKB48の51枚目シングル「ジャーバージャ」で初センターを務め、2018年に行われた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で第5位にランクインしたAKB48およびSTU48のメンバーである岡田奈々は、「バイセクシュアルなのかも」と発言したことがある。

 岡田が上記の発言をしたのは、ネット番組『みゃおの部屋』でのことだ。その後、トークアプリに寄せられた「カミングアウト?できてよかったですね」というファンのコメントに対して、岡田は「いつか言おうと思っていたことなので良かったのかもしれません」と返信していた。

「好きな男性のタイプについて話しているとき、自分だけ全然盛り上がれない。逆に『好きな女性のタイプは?』って聞かれたらポンポン出てくる。やっぱり女の子のほうが好きだなって思うようになってしまって」と語っている。

 また、でんぱ組.incの元メンバーであるタレントの最上もがもバイセクシュアルであることをオープンにしている。2017年に放送された『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)に出演した際は、ある女性芸能人に恋愛感情を抱いていたことも明かしており、セクシュアルティに関するファンの悩み相談に応えることもある。

 メンバー全員がセクシュアルマイノリティというアイドルグループも存在する。今年1月、“アイドルの聖地”中野サンプラザ公演を成功させた「二丁目の魁カミングアウト」は、“ゲイでもアイドルになれる”をコンセプトとしたゲイアイドル。もちろんグループ名の“二丁目”とは、世界有数のゲイタウンである新宿二丁目のことだ。

 より小規模に活動するライブアイドル(メディア露出よりもライブハウスを中心に活動するアイドルのこと)シーンに目を向けると、静岡県を拠点に活動する女性アイドルグループのfairy larmeはメンバー同士で交際していることを発表して話題になった。

「こうした状況を考えると、アイドル自身がセクシュアルティをオープンにするのは本当に勇気ある行為ですし、異性愛主義に風穴を開ける第一歩になることでしょう。また、応援しているアイドルのカミングアウトは、セクシュアルマイノリティ当事者のファンにとって、勇気を与えてくれるとともに自分に居場所を与えてくれると思います」(中村氏)

 昭和に比べて、アイドルの在り方はかなり多様化した。幅広いアイドル像と、それを受け入れるファンという土壌があるからこそ、現在アイドルシーンでカミングアウトが続いているのかもしれない。自身のセクシュアルティをオープンにして活動するアイドルたちの姿に勇気づけられるファンは多そうだ。
●取材・文/原田イチボ(HEW)
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https://news.yahoo.co.jp/articles/161e5beb770c91b4273755294fad99cec0dbf8b1?page=1