新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、今年は学校が休校し、始業は遅れ、学校行事も延期や中止になり、多くの学校で夏休みが大幅に短縮される。未成年者の自殺も3年連続で増えるなか、身の回りの変化に翻弄(ほんろう)され、しんどい思いを抱える「君」に、悩み、傷つき、苦しんだ著名人たちがメッセージを送る。
#しんどい君へ…ジャングルポケット 斉藤慎二さん(37)

 小学3年生から中学生の頃まで、いじめを受けていました。生きていることがつらくて、絶望しかなくて、首をくくろうとしたこともありました。だから今、苦しくて悩んでいる君に、「この先、楽しいことが待っている。頑張ろう」なんて軽々しくは言えません。

 小3の頃、クラスで一番小さくて「チビ」とからかわれるようになりました。上履きがなくなるとか、3階から自分の教科書が落ちてくるとか、そんなことは当たり前。

 その夏、虫捕りに誘われました。「これで、いじめは終わったんだ」とうれしくて舞い上がって、待ち合わせ場所に早めに行って待っていると、木の陰から一斉に人が出てきて「お前が虫だ」と袋だたきにあいました。泣くと、「俺らが悪いみたいになるじゃないか。笑えよ」と言われ、無理やり笑いました。相手は11人でした。
恐怖におびえながらも、それを隠した

兄からは「親には言うな」と口止めされた
 クラスで僕1人だけ誕生会に呼ばれなかった時もあります。教室で泣いていたら、担任の先生から事情を聞かれました。先生は「斉藤くんにも原因があるかもしれないね。聞いてみよう」と言いました。僕はクラス全員から順番に、「気持ち悪い」「チビ」などと文句を言われました。

 給食をよそってもらえない時期もありました。授業中、「姿勢が悪い」と彫刻刀で背中を刺されることが続いた時には、血が出ても親や周囲に悟られないように、黒い服を着ていきました。

 いじめを受けていることは、1歳上の兄に相談していました。優しい兄なのですが、「親には言うな」と口止めされました。両親は共働きで忙しかったので、迷惑をかけてはいけない、心配をかけてはいけないと思い込んでいたのです。恐怖におびえながらも、それを隠し、学校に通いました。

小6になり、卒業アルバムの全体写真を撮る時、「お前を写真に残したくない。来るな」と言われ、登校しませんでした。その頃から、体調不良を理由に休みがちになりました。

 長く耐えてきたけれど、やっぱり学校に行くことが怖い。限界だと感じたある日、自殺しようとしました。部屋にいると、兄が駆けつけてきて、「何やってるんだ。死んだら全てが終わる。絶対、時間が解決してくれるから」と叱られました。時間は長くかかったけれど、高校に進学して人間関係が一新されると、いじめは本当に終わりました。

 振り返ると、僕も兄も完全に間違っていました。親に早く相談するべきだった。悪いのは、人を平気で傷つけるやつらの方なんだから。

 もし、つらいこと、苦しいことがあったら、何かの機会を見つけて僕に直接、相談してほしい。一人ひとり、悩みも状況も違うと思います。僕は、自分を押し殺して耐えてきた時間が長かった分、君の痛みがほかの人よりも分かると思う。この人なら自分のことを話せるという存在になりたい。君の悩みに真摯(しんし)に向き合い、力になりたいと心の底から思っています。

 僕はこれからも芸能界で頑張っていきます。皆さんに笑いを届け、少しでも勇気を与えられる存在になれたらうれしいです。

略、抜粋、以下全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/01f53fea1652670a800d78b018fb9fb2f68f369e