広島県社会人1部リーグの福山シティフットボールクラブ(以下、福山シティFC)がクラウドファンディングを実施し、初日で目標金額の50%を超える300万円以上の支援を集めている。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてスポンサー契約が白紙となるクラブ最大の危機に直面しているなかで、代表の岡本佳大氏は「この苦難を皆さんと一緒に乗り越えて、福山市に新たなJリーグクラブを誕生させたい」と支援を呼びかけている。

 福山シティFCは昨季、広島県社会人2部リーグを全勝で優勝し、今季から同1部リーグに昇格した。将来的なJリーグ参入を目指して活動を続けているなか、新シーズンを目前にして新型コロナウイルスの大流行という予想外の自体に直面した。

 これによりリーグ戦は中止を余儀なくされたうえに、ユニフォームスポンサー契約も白紙となった。スポンサーからの広告宣伝費が収入の95%を占める地域リーグのクラブにとっては存続に関わる致命的な問題となる。

 Jリーグとは異なり、リーグ戦再開の目途がまだ立っていないなかで福山シティFCは9日にクラウドファンディングをスタートさせた。このコロナ禍を乗り切ろうと、活動費の支援を募っている。

地域クラブならではの“繋がり”が支援の輪を大きくした
 クラブの“新たな未来を切り開く”プロジェクトを開始した同クラブの代表、岡本氏に現状について話を聞くと、クラウドファンディングはクラブと選手が一体となって取り組んだこともあって順調なスタートを切ったという。

「自粛期間が約1カ月半もあって、選手も外出もできない状況でした。先が見えないなかで、クラブの存続が大丈夫なのかということを不安に感じている選手も多かったと思います。だからこそ、今回のクラウドファンディングでもクラブの現状を選手が自発的に呼びかけて、支援を募る動きをクラブと一緒になって働きかけてくれた。それはこのクラブの大きな強みになっていたのかなと思います。

 ウチの選手たちは26名のうち、元Jリーガーが8名もいます。各カテゴリーで悔しい思いをしてきた選手も多く、このクラブとともにもう一度Jリーグに返り咲きたい、もっと上のリーグに挑戦したいという思いを強く持っている選手が集まってくれています。そのことは、今回のことで改めて強く感じました」

 クラウドファンディングは目標金額500万円で9日の午前10時からスタートし、開始から4時間で100万円を突破。日付が変わった10日午前0時の時点では300万円を超えた。支援者の数はすでに220人、支援総額は350万円(10日10時時点)に達している。

 岡本氏は地域クラブならではの繋がりが、支援の輪を大きく、より強いものにしているとも語っている。

「地域に根ざしていくうえでのホームタウン活動やPR活動にも、選手たちは積極的に参加してくれていました。その影響もあってか、選手たちが過去に所属していたクラブのファンの方々からの支援も、たくさん頂いています。そういう人間性を持った選手たちが多くいるんだなということを実感しています」

6/10(水) 11:10 フットボールゾーン
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab8576683660e69cc2acccad83b6a49824c7128d

写真
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