落語家の立川志らく(56)が5日、司会を務めるTBS系テレビの情報番組「グっとラック!」に出演。米国で警官による黒人暴行死事件を巡って人種差別を抗議するデモが拡大化していることについて差別と区別の分かれ目は愛情の存否にあるとの持論を示した。

 「違うものを差別する気持ちは人間誰しにもある。でも、そこに愛情があれば、それが差別でなくなる」とした。日本でもアジア人を蔑視する風潮がはびこっていた時代もあり、最近では新型コロナウイルスを巡る差別が起きるなど問題は尽きない。

 落語にも「お見立て」「田能久」「松山鏡」など田舎者が出てくる演目はあるが、「落語に出てくる江戸っ子が『この田舎者が、この野郎』と言っても、そこに愛情がある…。愛情がなくて、ただただ、自分とは違う地方から出てきた人間だからとパーンと言うと完璧な差別。相手が傷つく。そこに問題がある」と現代の生活の世知辛さを指摘した。

 米国では暴行死事件後に大規模な抗議デモに発展したが、参加者が暴徒化し、店の破壊や略奪行為が起きる事態となっている。
https://www.chunichi.co.jp/article/68183