Jリーグは新型コロナウイルスの影響で2月下旬から中断していたJ1の再開を7月4日に決めた。
J2とJ3は今月27日から。リーグの運営にあたっては、選手や観客を含め全ての人の対応が一変していく。

見えない「敵」とどう共存していくか。課題を探った。

サッカーは競技の特性上、スポーツの中でも身体接触が多い。
相手の血に触れることもあり、声を張り上げた際や、激しい息遣いの中では飛沫(ひまつ)が懸念される。

プロ野球との合同対策会議専門家チームの三鴨広繁氏(愛知医科大大学院教授)は、
汗による感染の可能性はないとしながらも、「野球と比べれば、接触感染の可能性は高まる。
もし選手が感染していたら、一気に広がる確率は上がる」と話す。

Jリーグは選手に週2度、家族にまでPCR検査を求めたドイツ・リーグの厳格な取り組みを参考に、感染リスクを減らす対策を検討。
当初困難とされた検査の導入にめどが付き、2週に1度、選手、審判員らを検査する方針だ。

練習再開したチームに対しては、万が一に備え、当面は接触プレーを避けるよう呼び掛けている。

ただ、検査の精度は100%ではない。無症状の感染者や、発症2日前から感染の危険性があるのがコロナの厄介なところ。
三鴨教授は各クラブで毎日行う健康観察と行動記録の管理が、その穴を補完すると指摘。

チーム内と家族らに接触を制限し、異常が2週間なければ、感染の疑いはないとされる。
一方で、選手の私的な時間での自覚が問われる問題にもなる。

専門家チームからは、一流の競技者は消耗の激しい運動後、免疫力が低下すると報告されている。
三鴨氏は「免疫力が下がれば、ウイルスが少なくても感染する。ボディーコンタクトが多いことを含め、
当然のことながら感染リスクは野球より高まる」。コロナと向き合う中で、サッカー特有の課題を指摘した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060500240&;g=spo