新型コロナウイルス禍により大会中止が続く新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者・内藤哲也(37)が、
不安な胸中を告白した。大会再開に向けたガイドラインなどが団体から定期的に発信されないことを問題視。IWGPタイトルに
義務付けられる「6か月以内」の防衛期限が迫ってきたことにも触れ、“最悪のケース”も想定しているという。

全国で緊急事態宣言が解除されてから1週間がたち、東京都の休業要請の緩和も「ステップ2」へ移行。これを受け、団体から
メディアとの対面取材の許可を得た内藤は本紙をファミレスに招集した。感染予防の観点から別々のテーブルで距離を保ち、
会話も最低限にとどめるという、もはや真の目的は飲食としか思えない非合理的な方法が取られた。

対面取材が解禁されたとはいえ、新日プロの興行再開は未定。5月13日にハロルド・ジョージ・メイ社長(56)がファンに動画メッセージを
送ったのを最後に公式見解は出されていない。

内藤は「あれはあれでよかったけど、なら1週間おきでもいいからその後も続けてほしかったですよね。こうなったらこうしますという
ガイドラインのようなものを出すとか。所属選手である僕でさえいつ再開されるか不安なんですから、楽しみに待ってくださっている
お客様はもっと不安だと思うので」と問題提起した。

さらには「いつから再開なのかという不安とともに、もう一つ不安があるんですよ。最後の防衛戦(2月9日の大阪城大会)からいよいよ
4か月ですからね」。王者の防衛期限は「6か月以内」と義務付けられており、その期限切れも懸念する。ただ、他のプロスポーツは
再開日程が続々決まり、新日プロの再始動も遠くないことが予想される。仮に期限が切れても緊急事態宣言の発令下だったことを
考慮すれば、“免責”の可能性が高いはずなのだが…。

何事にも疑い深い2冠王者は「分からないよ? 去年も台風で飛行機が飛ばなかっただけでベルト(US王座)を返上させられた王者
(ジョン・モクスリー)がいたからね」と不信の目を向ける。「だからこそ細かいところまでこまめにアナウンスしてほしいわけです。
このまま剥奪されるくらいなら、1回くらい他団体に行って防衛戦やっちゃうよ?」と“強行手段”もチラつかせ、団体に早急な今後の
方針発表を求めた。

言いたいことを言い終え、食後のコーヒーも飲み干した内藤は「密になってお店に迷惑がかからないよう、ドリンクバーも一人が
まとめて持ってくるようにしよう。悪いけどコーヒーのおかわりを持ってきてくれない?」と提案。戻ってくるとその姿はどこにもなく、
記者のテーブルの上には内藤の分もまとめた伝票だけが残されていた。 


【新日本の今後の対応】
新日本プロレスは2月26日の沖縄大会を最後に興行を中止している。

新型コロナウイルス禍でも世界最大団体の米WWEは無観客試合で活動を継続しており、国内でも無観客試合の配信を行う団体は多い。
そうした中で、ハロルド・ジョージ・メイ社長(56)は5月13日に団体公式ユーチューブチャンネルで、緊急事態宣言の発令中は無観客で
あっても試合を再開しない方針を掲げ「選手、スタッフを感染のリスクから守るため」「会場側から使用許可が下りない」「企業の社会的責任」の
3点を理由に挙げた。

一方で、緊急事態宣言の解除後に無観客試合を検討すると明言。その後は感染拡大防止措置を講じ、客席の間隔を空け「会場キャパシティーの
約半分」の状態で、観客を入れた形態の興行再開を目指す見通しを示した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/11f6351031b1d0304978919531217e82dbcd78c4

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