日本でもワイドショー中心に、不確かで不安を煽るような報道が展開された。

ある番組では先日、顔の前にティッシュペーパーをかざし、「これはペンです」と、
「This is a pen」をそれぞれ発音し、英語の方が多くの飛沫(ひまつ)が飛ぶような検証をしていた。
実にバカげている。なぜ、もっと建設的な報道ができないのか。

米紙ニューヨーク・ポストは21日、1面に大きく「今すぐ終わらせよう」という見出しを掲げた。

「未知のウイルス」におびえて、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、
ウイルスへの理解も進み、「経済を再開させることが可能だ」との論調だった。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事と、デブラシオニューヨーク市のビル・デブラシオ市長が
「何万人ものニューヨーカーを貧困に陥れた」とも批判していた。

新型コロナウイルスは「死者は高齢者が多い」ことや、「人と人との間隔は空ける」
「マスク着用」 「手洗い・うがいの励行」などで防止できることが分かってきた。

今、必要なのは「感染拡大を警戒」しながら、「経済を動かす」ステップを踏むことだ。

マスコミが、新型コロナウイルスの不安をあおり続けるのは、歴史上、戦争や災害、疫病といったセンセーショナルな話題が、
視聴率や購読者数をアップさせてきたからだろう。しかし、過剰に報道することで、マスコミは本来の機能や信頼を失い、誰にも見向きされなくなってしまう。

「世論は自分たちが誘導するものだ」と思っているとしたら、勘違いも甚だしい。
ワイドショーでは、専門家でもないコメンテーターに感情論を語らせて、政府・与党批判を繰り返していた。

偏った左派メディアの報道姿勢にはうんざりする。

日本で目にすることはほとんどないが、異なった意見を国民の前に提示する、本物の報道をしてほしい。


■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。
71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、
『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/200529/dom2005290004-n1.html