日頃、政治的な発言をほとんどしない日本の芸能人だが、思わぬところからの発言が話題を呼んでいる。
 あの小泉今日子(54)が、辛辣な言葉で安倍政権を批判したのだ。

・日本では芸能人の政治的発言がなぜ悪目立ちするのか

世の中の不満を代弁したかに見えた小泉氏のツイートに対して、共感の声がある一方で、
意外にも否定的な反応が多く見受けられたのだ。

小泉氏に限らず、政治的な発言をした芸能人が敬遠されてしまうのは、珍しいことではない。
“そんな人だと思わなかった”とか、
“政治とアーティスト活動は分けるべきだ”といった匿名の声によって、かき消されるのが常だ。

政治的な思想なり態度なりを表明したことのない人が、大きな事件が起きると、
いきなり権力を批判しだしたりするから、唐突感が否めないのである。

そもそも、彼女がこれまでに何らかの政治的な態度を表明したという話を聞いたことがない。
だから、“いきなりどうしたの?”と思われてしまうのではないか。
それまでのノンポリな姿勢と、今回の言葉の強さのギャップに戸惑ってしまうのだ。

内閣の代わりとなるべき、望ましい権力の絵図を描けないままに、
政権を“口撃”することで心のモヤモヤを解消している欺瞞に見えてしまう。
ここに、小泉氏の発言への違和感があるように思うのだ。

・日頃から、誰を批判して誰を支持するのか、はっきり表明する

 たとえば、アメリカのセレブ(俳優、ミュージシャン、モデル etc.)ならば、
政治的な発言をする際には、自らの立ち位置を明確にする。トランプ大統領を批判する際には、
(対立候補になりうる)ジョー・バイデンやバーニー・サンダーズ、もしくはマイケル・ブルームバーグらの名前を必ず持ち出す。

実際に集会への参加や献金を呼び掛けるなど、具体的な行動もともなう。
いずれにせよ、権力の移譲が可能な、現実的な政治家の名前がなければ、説得力を持たせられないのだ。

セレブの発言が100パーセント正しいなどと言うつもりはない。
だが、権力を批判したのちには、逆に自らも権力サイドになり得ると認識している点は、日本の芸能界とは大きく異なる。

立憲民主党なり国民民主党なりの選挙応援で歌ってくれれば、政治的発言をする芸能人を見る目も、変わってくるのかもしれない。

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