プロ野球の阪神の新型コロナウイルス問題が大きな波紋を広げている。阪神は2020年3月27日に、藤浪晋太郎投手(25)、伊藤隼太外野手(30)、
長坂拳弥捕手(25)に新型コロナウイルスの陽性反応が確認されたことを発表。これを受けて他球団は全体練習、練習試合などの中止を決定するなど対応に
追われ、球界を巻き込んでの騒動に発展している。

■食事会は参加者12人以上の可能性も

 今回の騒動において、焦点となるのが14日に開かれた食事会だ。当初の球団発表によれば、食事会に参加したのは、チームの7選手と社外の5人、
計12人だった。ところが、29日の段階で食事会に参加した人数が12人を超える可能性が浮上。さらに食事会に参加した大阪府の20代女性2人、神戸市内の
20代女性1人がウイルスに感染したことが判明し、少なくとも3人の20代女性を交えた食事会であったことが明らかになった。

 阪神は食事会に参加した7選手のうち、実名を公表しているのはウイルスに感染した藤浪、伊藤、長坂の3人のみ。残る4選手は現時点でウイルス感染の
症状がなく、PCR検査を受ける予定がないことから実名は伏せられている。日本野球機構(NPB)と12球団の間では、PCR検査を受けることが決まった場合に
実名を公表することが確認されており、ルール上は何ら問題ない。

 一方で阪神を取材する関西のメディア関係者は、残りの4選手について「どの媒体で報道されるか分かりませんが、メディアで名前が出るのは時間の
問題でしょう」とした上で、情報を伏せることへのリスクを指摘した。

「すでに阪神だけの問題ではなくなっています」

  「ウイルスの感染が確認できない状況で実名を公表するのはプライバシーに関わる非常にセンシティブな問題です。ただ今回のケースは球団と選手の
落ち度も否めません。残り4選手の感染が確認出来なくても、他球団と情報を共有すべきです。もし、後日感染が確認されれば、初動が大きく遅れることに
なります。すでに阪神だけの問題ではなくなっていますし、情報を共有しないことで開幕が遅れるなど、さらに大きな問題に発展する可能性があります」
(メディア関係者)

 他球団の関係者のなかには阪神に対する不信感を露わにする者もおり、なかでも中日関係者は頭を抱えているという。ウイルスに感染した伊藤が、
3月20日から3日間、ナゴヤ球場で行われた2軍の練習試合に出場していたこともあり、伊藤と接触した選手をはじめとし、コーチ、スタッフなどの
球団関係者の感染予防対策に追われている。

 この日、サッカーJ1神戸は元日本代表のDF酒井高徳(29)が新型コロナウイルス感染のPCR検査を受け、陽性反応が確認されたことを発表した。
関西地区ではウイルスの感染が広がりを見せており、阪神と同じく兵庫県内に本拠を置くプロサッカーチームからも感染者が出たことで、予断を許さない
状況となってきた。

JCAST

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200330-00000019-jct-spo