愛する娘と二人三脚だったはずなのに――。2月20日に22歳になったモデル・藤田ニコルと所属事務所のオスカーとの間に溝が生まれている。その背景に長く芸能活動を支えてきた母の“銭闘”があった。

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 もっとも、藤田ニコルの活躍には舌を巻くばかり。

「若者への人気からテレビで起用されやすいんです」

 とは、芸能記者。

「番組の女性ゲストとして、一番で声がかかるのが彼女。笑いをとるタイプではないんですけど、失言もないしコメントが安定している。何より10代からの絶大な支持を得ていますから」

 ニコルはニュージーランド出身。ロシア人とポーランド人のハーフの父と日本人の母との間に生まれ、幼少時に両親が離婚し、来日。2009年にローティーン誌「nicola」のモデルとしてデビューし、「Popteen」や「ViVi」の専属モデルを務めながら、バラエティ番組に出演するようになった。

 その芸能活動を当初から支えてきたのが、現在47歳の母親である。

 キー局中堅社員が言う。

「母子の仲の良さは有名で、かつては番組でニコル本人が“ママるんです”と紹介したこともあります。母はかつて埼玉県内で飲食店を経営。ステージママでもあり、収録現場にも時折姿を見せ、マネージャー的な役割も果たしていたのです」

 ところが、その母子関係に異変が生じている。

「昨年から、お母さんの姿を現場で見かけなくなったんです。以前から所属事務所のオスカーのマネージャーはついています。ただ、時にお母さんが来て、あれこれと差配していたのですが、ここ最近はぱったり見なくなって……」(同)

 そのことが様々な憶測を呼んでいる。

 この中堅社員が続ける。

「ニコルが母を遠ざけようとしているのでは、と言われています。今まで母子べったりでしたから、反抗期とでも言うべきでしょうか」

裁判も辞さず

 一方、ある芸能事務所幹部はオスカーとトラブルになっていた、と明かす。

「昨年から事務所と本人のギャラの取り分について、揉めていたようです。具体的には、本人の取り分を減らし、事務所分を増やすというものだった。ニコルが多忙になるにつれ、マネージャーなどスタッフの人件費が嵩むようになっていたからです」

 それに猛反発したのがほかならぬ母だったという。

「一時は事務所を相手取り、裁判も辞さず、という構えで、オスカーは頭を抱えていました」(同)

 コトの真偽について、事務所に尋ねると、

「事実ではありません」

 と言うものの、この芸能事務所幹部は、

「解決に向け、話し合いがなされていました。母が現場に来なくなったのも、そういう理由があるのでは」

 芸能ジャーナリストの佐々木博之氏が指摘する。

「仮に子どもが売れっ子になると、その親は“これだけ働いて、これしかもらえないのか”と疑問に感じてしまう。ただ、売り出すための人件費やレッスンなど初期投資は巨額です。事務所はそれを回収しなければならないのに、親が理解できず、トラブルになるケースが多いですね」

 芸能界で成功するには、母離れも必要なのだろう。

「週刊新潮」2020年2月27日号 掲載
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200302-00610806-shincho-ent