竜は“長い眠り”から目覚めることができるのだろうか。

昨年、セ・リーグ5位に沈み、7年連続のBクラスという“暗黒時代”が続いている中日。
落合博満監督時代は優勝争いの常連だったが、今や12球団のなかで最もAクラスから遠ざかるチームに転落してしまった
。だが、地元名古屋では「今年こそ、チームが浮上するのではないか」と期待する声もあがっている。

「中日のチーム力は確実に上がっていますね。昨年も5位だったとはいえ、終盤までAクラス争いを演じました。チーム打率はリーグトップ、防御率は優勝した巨人より上の3位。投打がかみ合えば、上位への浮上は不可能ではない。
ここ何年、Bクラスばかりですが、最悪の状態からは抜け出したようにみえます」(スポーツ紙デスク)

昨年に就任した与田剛監督はチームの立て直しを進めており、それまでくすぶっていた若手選手に対して積極的にチャンスを与えている。その象徴的な選手は、セカンドに定着した阿部寿樹である。
2016年に入団した阿部は、即戦力と期待されながらも16年から18年で出場試合はわずか64試合にとどまっていた。だが、昨季は129試合に出場して打率.291、本塁打7本とキャリアハイを記録した。

「阿部は社会人のHondaを経て入団しているため、プロ入りしたのは26歳でした。つまりオールドルーキー。中日のGMだった落合氏にバッティングを評価され、ドラフト5位で指名されました。
落合GM時代に指名された社会人出身の選手はあまり活躍できなかったため、ファンからの批判が多かったのですが、昨年、阿部がブレイクしたことで『落合さんの眼力に狂いはなかった』と言われていますね」(スポーツライター)

若手投手をみると、高卒2年目で3勝をマークした山本拓実、同じく2勝を挙げた清水達也、ルーキーで4勝をマークした梅津晃大など先発を担える素材が出てきた。
中継ぎ陣は、2018年はわずか1試合の登板に終わったサウスポーの福敬登が昨季52試合に登板して18ホールドとキャリアハイの活躍をみせた。

「エースの大野雄大も2018年は0勝と非常に苦しみましたが、昨年は9勝8敗、防御率2.58で最優秀防御率のタイトルも獲得するなど、中日の先発陣は復活しつつあります。
ただ、中継ぎ陣は最優秀中継ぎ投手に輝いた左腕ロドリゲスがメジャーに移籍するなど、代役を誰が務めるのかといった“不安材料”も少なくない」(前出のスポーツライター)

ロドリゲスの代役として、オリオールズ傘下3Aノーフォークなどに所属した、左腕のゴンザレスを獲得した。最速155キロの左腕だが、中継ぎとして昨季41ホールドを挙げたロドリゲスの穴を埋められるか未知数だ。
3年目の藤嶋健人がセットアッパー候補として期待されるが、血行障害が完治しておらず、無理はさせられない状況。中継ぎの陣容には不安が残るところだが……。

「昨年の中日は一点差で負けた試合が27試合もあった。優勝した巨人は77勝、中日は5位で68勝、つまり9勝しか差がなかった。中日が落とした27試合で3分の1程度、取っていれば、リーグ優勝をしていた計算となる。
それだけ、セ・リーグの各球団に力の差はなかったとも言えます。投打がかみ合って、中継ぎ陣が整備できれば、中日はAクラス入りはもちろん優勝を目指せる位置にいるとは思います」(前出のスポーツ紙デスク)

今年こそ、強竜復活へ――。与田監督の手腕に注目である。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200127-00000011-sasahi-base
1/27(月) 16:00配信