「事件の直後はぎょうさん人が来てはったけど、今は静か。でも、あの時見た犯人の顔はずっと心にある。焼け焦げた真っ黒な顔で意味の分からんことわめいていたあの人の顔が、何度も何度も蘇ってね。恐ろしくて腹立って、何とも言えん気持ちになるんです」(事件を目撃した近隣住民)

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 36人が死亡し、33人が重軽傷を負った京都アニメーション放火殺人事件から5カ月。現場となった京都市伏見区の第一スタジオは、解体に向けた準備作業が進んでいる。

 ガソリンを撒いて火をつけたとして殺人容疑などで逮捕状が出ている青葉真司容疑者(41)は、自身も重度の火傷を負った。

「火傷は全身の90パーセントに及び、一時は重篤な状態でした。移植用の皮膚を提供する『スキンバンク』は、常にドナー不足のため、被害者を優先すべきと判断。結果、青葉は自己の組織を培養した『培養皮膚』の移植を繰り返し、奇跡的に一命を取りとめた。これほど広範囲の移植は世界的にも異例として、2020年にも学会で発表される予定です」(医療関係者)

 現在は治療にあたった大阪府内の近畿大学病院から、京都市内の病院に移った。

「まだ立ち上がることはできないが、車椅子に座ったり、介助されながらの食事や会話はできるまで回復している」(同前)

 11月8日に行われた最初の事情聴取で、青葉は「埼玉の自宅を出るときから殺意があった」「一番多くの人が働いている第一スタジオを狙った」などと供述。一方で、近大病院の医療チームに対しては「人からこんなに優しくしてもらったことは今までなかった」と感謝し、「人の道を外れることをした」などと、初めて反省とも受け取れる言葉を口にしたという。

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