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2019-12-26

今年40周年を迎えた『機動戦士ガンダム』は、日本が世界に誇るIPコンテンツとして今なお絶大な人気を誇る。2018年夏、ハリウッド実写版企画も発表され世界のガンダムファンを沸かせたことも記憶に新しい。その『ガンダム』シリーズの舵取りを担うサンライズの小形尚弘ゼネラルマネージャー(以下、GM)を取材。アニメファンのトラウマとも言える“実写化”への懸念や、富野由悠季氏と安彦良和氏の再タッグの可能性などを聞いた。

■黒歴史化を回避? 実写版の条件は「脚本とデザインの共同開発」

――GMである小形さんにはハリウッドの実写版についてガッツリお話を聞きしたいです。小形さんはハリウッド版の制作にも関わっているのでしょうか。

はい。実写版は海外の人も含めて相当なバジェット(予算)で行う事業ですので、サンライズだけではなくグループ全体でどんなビジネスにするか歩調を合わせて進めています。ただ、中身の部分に関してはサンライズが責任を持って開発しているところです。

――これはぜひお聞きしたかったのですが、日本のアニメ・漫画ファンの間ではハリウッド版『北斗の拳』(1995年)や『ドラゴンボール』(2009年)など、いわゆる人気コンテンツの実写化が“黒歴史”として認識されています。トラウマと言ってもよいかもしれません。95年公開のハリウッド版『北斗の拳』に関して、当時の週刊少年ジャンプ編集長・堀江信彦氏は「海外制作の場合、何が難しいかって、まずシナリオの翻訳が大変。仮にシナリオをチェックして『これ面白いの?』と聞いても、『アメリカ人にとっては面白いんだ』と言われたら何にも言えない。それくらい文化と言語の違いは難しいです」と振り返っていました。もちろん時代の違いはありますが、こうした経験から“実写化”に対して懐疑的な視線を向けるアニメ・漫画ファンは多いです。サンライズとしてハリウッド版をOKした理由や条件というのは?

ハリウッド版を制作するのはレジェンダリー・ピクチャーズですが、今回の取り組みで一番大きなポイントは、脚本とデザインに関して共同開発だという点です。

――かつてのハリウッド版『北斗の拳』や『ドラゴンボール』のように、原作とかけ離れた内容にはならないということでしょうか。

サンライズとレジェンダリーの双方がOKを出さない限り、脚本もデザインもOKにならないという点が一番のキモとなっています。なので、サンライズがしっかりと開発責任を負っているという点で、「ガンダムと全く違うモノ」にはならないという保証はあります。
ファンの皆さんも気になっていると思いますが、そこはサンライズとして一番大事にした部分で、結果として“共同”で制作できる会社と組むことが前提でした。レジェンダリーは大手でありながらインディペンデントな会社に近くて、『GODZILLA ゴジラ』なども撮っているんですけど、フットワークが非常に軽い印象があり、日本のコンテンツで勝負したいという気持ちを感じます。
新しい作品をどんどん生み出していきたいというマインドを持っています。一方でサンライズ側が「もっと新しくしちゃっていいのに」と思うくらい保守的というか、彼らなりのガンダムらしさ、日本のクリエイターに対するリスペクトを持っています。そういった意味でも、「ガンダムって名前がついてるだけの映画」にはならないと思います。

――ファンはモビルスーツのデザインも気になっていると思います。

デザインはまだ開発中ですね。開発についてはサンライズ中心でやっていて、基本的に大元のデザイン……あ、これはあまり言えない(笑)。とりあえず、サンライズとレジェンダリーが一緒に開発しているので、デザインについても大外しのモノになることはないと思ってください。

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