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福田正博 フットボール原論

■ワールドカップ2次予選で連勝中の日本代表。勝ったとはいえ、厳しい戦いが続いている。格下と言われる相手との対戦でありながら、アウェーとはいえ楽に勝つことが難しいのはなぜなのか。元日本代表の福田正博氏が、自らの経験もふまえて語った。

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 日本代表は11月のアウェーでのキルギス戦に2−0で勝利。これで、9月から始まったW杯アジア2次予選は4連勝となり、しかも無失点ということを含めて、評価されるべきだろう。

 とくにキルギス戦は、満員のサポーターの後押しを受けたキルギス代表が、高いモチベーションで試合に入ってきていたし、日本代表のこともしっかりと分析していた。ヨーロッパ的なフィジカル強度を持ちながらも、攻守両面で規律正しく組織で戦い、何度も日本ゴールに迫ってきた。

 GK権田修一のビッグセーブで失点こそしなかったものの、FIFAランクだけをもって、キルギスを日本よりも格下とみなすのがはばかられるほど、彼らは良質なサッカーをしていた。

 今回のW杯アジア2次予選では、韓国代表がすでに2分け、イラン代表は2敗を喫している。両国とも最終予選に進出してくるとは思うが、アジアのなかでサッカー先進国と言われる彼らでさえ苦戦するほど、アジアのレベルは上がってきているのだ。この先、日本が同じように苦戦してもまったく不思議はない。

そうしたなか、日本代表は4連勝で年内のW杯アジア2次予選を切り抜けた。これは当たり前のように思われがちだが、サッカーは番狂わせがもっとも起こりやすいスポーツであり、環境の格差が大きいアジア予選にあっては、実は全勝は難しいことでもある。

 日本代表はミャンマー戦、タジキスタン戦、キルギス戦をアウェーで戦ったが、ミャンマー戦のピッチはデコボコ、タジキスタン戦は人工芝、キルギス戦もJリーグやヨーロッパのような整ったピッチコンディションではなかった。

 こうした環境面の違いは、ジャイアントキリングを起こす大きな要因であり、「ホーム&アウェー」と単に言葉にする以上の厳しさが存在している。そうした現地に行かなければわからない、テレビ中継だけでは伝わらない厳しさゆえに、韓国代表もイラン代表もアジア2次予選では苦戦を強いられていると言える。

 キルギスには日本からの直行便はなく、ロシア経由なら移動に20時間近くかかる。日本からモスクワまで10時間、乗りかえの待ち時間が3、4時間あって、そこから飛行機で4時間ほど。モンゴル経由なら日本からウランバートルまで約4時間、そこからキルギスまで3時間ほどかかる。

11/27(水) 6:39配信 スポルティーバhttps://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191127-00878880-sportiva-socc