大逆転の“切り札”とは――。約半年間の浪人生活を経てオランダ1部フィテッセ入りした元日本代表エースのMF本田圭佑(33)が来夏の東京五輪出場に向けて本格始動した。オーバーエージ(OA=24歳以上)枠での代表入りを狙って、すでに宣言した守備的MFへのコンバートに加え、ピッチ外でもMF久保建英(18=マジョルカ)ら五輪世代イレブンと“本田会”の開催をもくろんでいる。

 昨年夏のロシアW杯後に「東京五輪でプレーしたい」と宣言した本田は24日(日本時間25日)のオランダ1部スパルタ戦で約半年ぶりの公式戦に出場。チームは0―2で敗れたが、FKキッカーを務めるなど後半36分に交代するまで存在感を示し「自分ができることは見せた」と、デビュー戦を振り返った。

 目標とする五輪出場に向けてはオーストラリア1部メルボルン・ビクトリー時代にも挑戦した守備的MFへの転向を表明した。戦術眼や正確なキックが武器の本田には、自身の能力を最大限に発揮できる場所だ。特に五輪世代では選手層が薄いとされるポジションだけに森保一監督(51)に猛アピールしたい考えだ。

 今後はフィテッセでOA選手にふさわしいパフォーマンスを示していくが、森保ジャパン入りにはピッチ外での動きも鍵を握るという。プロ入り前から本田と親しい関係者は「圭佑の持ち味はやはりコミュニケーション力。五輪世代の若い選手とはあまり接点がないだろうが、今後は積極的に絡んでいくのではないか」と指摘する。

 日本サッカー協会の技術委員会では、OAについて五輪世代(23歳以下)と年齢の近い選手を適任としている。イレブンとの意思疎通が図りやすい上、短期間でチームになじみやすいためだ。逆に年齢差があると、五輪世代がOA選手に依存したり、遠慮、萎縮するなどの問題が生じかねないとされている。

 本田は、こうした事情を把握しており“世代格差”でメンバー漏れとならないためにも東京世代選手とコミュニケーションを深めたい考えで、食事会を検討しているというわけだ。中でも欧州でプレーするMF堂安律(21=PSVアイントホーフェン)やMF板倉滉(22=フローニンゲン)、久保らA代表経験者にアプローチし、積極交流を検討している。

 これまでも数々の難ミッションをクリアしてきた“有言実行”の男。五輪出場へのハードルは高く厳しい状況にある。それでも選手としておそらく最後になる大目標を成し遂げるため、ピッチ内外でなりふり構わずにOA入りを狙っていく。

11/26(火) 16:35配信 東スポ
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