0001牛丼 ★
2019/11/02(土) 18:45:44.40ID:8YdTRpQv92019年11月02日 18時00分
「ザ・北海道」「秘境」。
このところ、そんな表現が相応しい道東の小漁港での釣行の模様をお届けしてきました。
いやぁ〜、最高でしたなぁ。切り立った崖、その上に広がる一面の緑、そして見渡す限り凪の海…。
そんな書き出しをしておきながら、今回は打って変わって市街地で竿を出します。まぁ、同じ道内ではありますが…。
で、やって来たのは道東の中心都市・釧路。その中心部には釧路川が流れており、特に釧路港に近い河口部は、飲食店や宿泊施設が立ち並んでいます。
また、「幣舞橋(ぬさまいばし)」やフィッシャーマンズワーフなどの観光スポットなども豊富で、そういった環境のため、両岸は綺麗な遊歩道が整備されております。繁華街から近い河川の遊歩道は釣りが禁止されている場合が多いものですが、そんなアナル(ケツの穴)が小さいことを言わないあたり、「さすがは北海道!」です。
あ、これは決して「アナルがガバガバ」という意味ではないのであしからず。
夕方前に訪れたところ遊歩道に釣り人の姿はなく、テキト〜な場所からテキト〜に仕掛けを投げ込みます。
遊歩道の端に座っての〜んびり竿先を眺めていると、すぐに竿先が揺れてお辞儀したままの状態になりました。
手に取った竿を軽く煽ると、適度な手応えが…。上がってきたのは、手のひらサイズのクロガシラガレイ。安物ゆえ持ち主同様先っぽがフニャフニャな竿ですから、このサイズでも結構な手応えが楽しめるんですな。
その後も飽きない程度に同サイズのクロガシラガレイやヌマガレイがヒット。クロガシラガレイは小型でも肉厚なので、ハリを飲んでしまった個体のみを一尾づけの煮付け用にキープしました。それにしても、こんな市街地で簡単にカレイが釣れ続くのですから、また「さすがは道東!」です。
★ラストの強引は良型ご当地魚!
さて、無心で楽しむうちに、すっかり陽が傾いて肌寒くなってきました。
「晩のオカズには十分量が確保できたし、ぼちぼち竿を畳もうか…」
そう思った頃合で「フワッフワッ!」と揺れる竿先が眼に入りました。すぐに手に取った竿からは「ズンッ!」という重量感に続いて強烈な手応えが! 予期せぬ強引さに慌てて糸を送り、仕掛けを切られないように対処します。
「最後にデカイのが来たぜ!」
そう喜んではみたものの、よく考えてみればここで釣れるデカイ魚といっても“アカハラ”と呼ばれるウグイの類くらい。まぁ逃げられてもそれほど惜しくないので、思いきって竿を曲げ込み、力強く左右に走る引きを楽しみながら強引に巻き上げます。やがてユラ〜ッと見えてきたのは…、茶色い背中!?
「アカハラじゃねぇ〜っ! カレイじゃねぇかぁ〜!」
水面が近づいたせいか、力強い突っ込みで魚影は再び水中に消えました…。一転して慎重なヤリトリを心がけ、繰り返しの突っ込みを交わして抜き上げたのは、ヒレの縞模様が美しいヌマガレイでした。
…ヌマガレイ…? キミ、顔が逆向きだよね。ヌマガレイと違ってウロコもあるし…。って、トウガレイじゃねぇかぁ〜!
アカハラ→ヌマガレイ→トウガレイと予想を2度も覆されビックリです。先入観って怖いですねぇ。
★肉厚&濃厚風味まさに逸品!
このトウガレイ、聞き慣れない方が多いことでしょう。それもそのはずで、厚岸や風蓮湖、尾岱沼やサロマ湖といった道東の汽水域で釣れる地域限定魚なのです。冬に結氷した水域で産卵を行う生態ゆえ汽水域に多く、この釧路川で釣れても不思議ではありません。
この貴重なご当地魚はその場でしっかり血を抜き、持ち帰って煮付けにしてみました。ヌマガレイよりも身が厚く、特に背の盛り上がり具合は旬のイシガレイを思わせる肉付き。コイツは期待ができますよ
しばし煮込んでみたところ、煮汁にはうっすらと脂が滲んでおります。予想以上の脂乗りを期待してパクリとひと口。食感は繊細ながら、カレイ特有の風味が濃厚で旨い!
街中の河川内で釣れた個体だけに、臭わないか、との不安がありましたが、それもまったくの杞憂でした。何よりカレイならではの旨味が強く感じられます。キレのある辛口の日本酒『ポンエペレ』がグイグイと進み、最高な晩酌タイムでありました。
それにしても、繁華街近くの遊歩道で、しかも3時間ほどの釣りでこれだけ楽しめるって…。「釧路って、いや北海道って実に素晴らしいトコだなぁ」とあらためて実感しました、ハイ。
https://wjn.jp/sp/article/detail/8778967/