「引退してくれないか、と言われました。タイガースのユニホームを着てやるのは今シーズンで最後」

8月31日、阪神の鳥谷敬内野手(38)が、球団から引退勧告を受けたことを明かした。

球団幹部は「彼の現役へのこだわりがかなり強かった。
物別れに終わっているというのが実情」と語り、今後は本人の決断次第である状況が浮き彫りになった。

鳥谷は「来年以降のことについては一切、話はなかった」とも語っていた。
だが、ベテランの阪神担当記者は「表向きは公言できないのかもしれませんが、あのときと同じパターンでしょう」と言って解説する。

「2012年9月に、金本(知憲)が引退を発表したときですよ。
阪神球団は大功労者である金本に敬意を払い、監督候補であることを前提として、『一度ユニホームを脱いで外から野球を観たらどうか』と引退勧告したそうです」

現役に未練があった金本は、すぐ首を縦には振らず、10日ほどして引退を受け入れて会見した。
その後、評論家を3年やってから監督に就任したのだった。

「金本以上に鳥谷は阪神の“宝”で、早大からドラフト自由枠で入団した時点から幹部候補。
14年に海外FA権を行使したときも、2カ月悩んだ末に阪神残留を決めると、当時のオーナーが『申し訳ない』と言ったほどです(笑)。
矢野監督の次か、桧山(進次郎)を挟んだ次の監督に据えると言われている」(同前)

引退勧告の場で「他球団へ行きます」と即答

もっとも、現時点で鳥谷の現役への執着はかなり強いらしく、引退勧告の場で「他球団へ行きます」と即答したという。

「カネの問題じゃないそうで、松坂(大輔)のように大減俸も受け入れると見られている。移籍先は一緒に自主トレした仲の井口(資仁)が監督を務めるロッテの可能性が高い。
今でも練習をしまくっているので足は衰えておらず、守備は大丈夫なんですが、バッティングがねぇ。動体視力が衰えているのではと言われてますよ」(スポーツ紙デスク)

気になるのは他球団のユニホームを着た場合、阪神の監督候補という立場はどうなるか、ということだが。

「それは変わらない。岡田(彰布)さんはオリックスに移籍したけど、阪神の監督になったじゃないですか。むしろ阪神は鳥谷を快く送り出すでしょう。
江夏(豊)さんや田淵(幸一)さんを冷たく放出した頃と違い、今は功労者を大事にする球団だというイメージを大事にしている。
すっかり楽天の人になっていた星野仙一さんが亡くなったときも、阪神主催の送る会を催したほどですから」(前出・記者)

再び縦縞を着るまでの、一時のお別れとなりそうだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190909-00013903-bunshun-spo
9/9(月) 5:30配信