7/19(金) 6:12配信
東京五輪サーフィン会場でウミガメ産卵 テスト大会開幕も砂浜の一部を囲いで保護

 20年東京五輪で初採用されるサーフィンのテスト大会が18日、本番会場と同じ千葉・一宮町釣ケ崎海岸で開幕した。競技エリアにはウミガメが産卵し、急きょ鉄柵の囲いを設け監視要員を配置して保護。産み付けが確認された場所は五輪本番では観戦エリアとする計画のため、大会組織委員会は地元の保護団体と協力しながら踏みつけられないよう監視する方針を掲げ、“共存共栄”を目指す。

 五輪のサーフィン会場に“スペシャルゲスト”が現れた。砂浜の一部には黄色のカラーコーンと、銀色の柵で区切られた4メートル×4メートルほどのスペースがあった。5月に開催されたジャパンオープン時にはなかったもの。一宮町役場は看板に「ウミガメの産卵場所です!」と大きく書いて注意喚起。産卵した7月10日からふ化するまでの約60日間はこのままの状態にするという。

 男女20選手ずつが参加したテスト大会は観客を入れずに行われた。産卵場所は大会関係者、報道陣が往来するため保護処置をとったが、本番はサーフィンの自由な雰囲気を体感できるようにと砂浜に座って観戦するエリアとなる予定。視察に訪れた組織委員会の森泰夫大会運営局次長は「サーフィンに適した海にはウミガメの産卵場所が多いと聞く。どう自然と共存していくか、各所と連携を取りながらやっていく」と語った。

 種類はアカウミガメで、房総半島は産卵する北限とされ、一宮町は保護条例を施行している。同町役場・産業観光課の渡辺浩二さんによると「1年後、同じ場所に産みに来る可能性は高い。もし五輪中に卵があった場合は、環境に配慮して調整すると話をしています」。組織委は地元の保護団体と協力しながら踏みつけられないよう監視する方針。森次長は「温かく見守っていきたい」と話した。

 同海岸での産卵調査・保護活動を続けている「一宮ウミガメを見守る会」の渡部明美会長は「自然を守りながら人間も(スポーツを)楽しめたら。ウミガメのことを知ってもらうことが保護にもつながってくる」と話した。大会後も巡回を続けるという。

 ◆ゴルフでは虫の大量発生も… 12年に千葉・鶴舞CCで行われたサイバーエージェントレディスでは、コガネムシが大量発生。プレーの妨げになることから、ボールを6インチ(約15センチ)の範囲内に動かすことができる“コガネムシルール”を特別規則で追加した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190718-00000306-sph-spo