星野仙一さん

<学生時代の思い出>

紅白戦、練習試合といえども、常に必死、命がけ。骨の髄から絞り出すような
気迫が表に出ていなければ、怒声、罵声、鉄拳が飛ぶ。
ウソはもちろん、どんな小さな弁解も許されない。

雨の降る夜中、突然「パンツ一丁になって来い」と一人グラウンドに呼び出されると、
島岡さんがパンツ一丁で仁王立ちになっている。

「これからグラウンドの神様に謝るんだ」。

ぬかるんだグラウンドにひざまずいて、頭を地面にしっかりとつけて、
「神様、申し訳ありません」と繰り返すのだ。

泥だらけで震えながら、大声で謝罪する。
島岡さんのでっかい尻を目前にしながら、二時間に及ぶ禊(みそぎ)である。