日ハムの杉浦稔大(27)が23日、札幌ドームで行われた楽天戦に今季初先発、
5回まで9三振を奪い、たった一人の走者も出さないパーフェクトピッチングを続けていたが、65球で降板した。
6回から登板した2番手のバーベイトが、その代わり端にブラッシュに同点2号ソロを浴び杉浦の今季初勝利が消滅。
結局、1−4で敗れ、アクシデントでもないのに杉浦の大記録を中断させた栗山采配を巡って、一部のプロ野球ファンの間で賛否の論争が巻き起こった。

栗山監督がメディアに対して行った説明によると登板前から球数が決められており、中長期的な視点で降板が決められたという。
杉浦には故障の不安があり、今キャンプも途中でペースダウンして開幕1軍を逃し、ここまでファームでも3回以上投げていないため、その肩のスタミナと次を見据えての配慮だった。
だが、まさかの完全試合中断を決めた栗山采配への批判の声がネット上に溢れた。

「ヒットを1本打たれてからの交代でよかった」
「パーフェクトピッチングを降板させた意味がわからない」
「栗山采配は、たまに意味不明な事があるけど、今回は後でしっかりと謝らないといけないレベルの采配ミス」

降板反対派のほとんどは「ヒットを1本打たれるまで続投させるべきではなかったか」という意見。夢への可能性を自らが消す必要があったのだろうか?という疑問だ。
確かに記録達成の期待が高まるほど、この日の杉浦は、ストレートの伸びと変化球のキレが抜群だった。
最速150キロをマークしたストレートを中心にしたピッチングでコントロール自体は甘かったが、手元で伸びてくるボールに加え、要所でフォーク、スライダーを決めて好調の楽天打線を寄せ付けなかった。
今季の栗山監督は、加藤を1イニングでなく、2、3イニング投げさせて交代する日ハム流のオープナーで起用、第2先発としてオリックスから移籍してきた金子を使うなど大胆な投手起用が目立つ。
それらの起用に対しても批判的なファンが、今回の杉浦の降板にリンクさせて疑問を抱くものも少なくなかった。

球数を制限していた杉浦の交代に備えて、バーベイト、加藤という先発候補2人を後ろに用意していたが、結局、打線が沈黙、同じくヤクルトから移籍してきた秋吉が9回、ウィーラーに勝ち越し3ランを浴びてゲームを落とした。
継投の失敗に対する批判の声もあった。野球は結果論で語られるスポーツ。杉浦の完全試合を中断させたゲームを落としたことへの批判は、甘んじて受けなければならないだろう

一方「次につながるので大満足」という賛同意見もあった。

2013年に国学院大からドラフト1位(外れでソフトバンクと競合)でヤクルトに入団した杉浦は、ルーキーイヤーのキャンプ中に右肘の靭帯を断裂すると、その後も右肩、右肘の故障を繰り返した。
ローテーションを期待されながらヤクルトの4年間で通算6勝しかマークできず、そのポテンシャルを発揮できないまま2017年7月24日に屋宜照悟とのトレードで日ハムヘ移籍。
そのシーズンも右肩故障で移籍後の1軍登板は1試合もなかった
昨年も2勝したが、故障不安が常につきまといフル稼働とはいかなかった。
杉浦の故障歴と、コンディションを考え、次回以降、まだまだ長いシーズンの中での杉浦の先発としての役割を考慮すると、球数を制限しスパッと代えた栗山采配に説得力はある。

この点が、同じく完全試合続行中の降板で過去に大論争となった2007年の日本シリーズ第5戦における中日・山井の「消された完全試合」とは、まったく異なる事情だろう。
 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190424-00010000-wordleafs-base
4/24(水) 5:10配信

https://www.nikkansports.com/baseball/professional/score/2019/pl2019042304.html
試合スコア

https://www.youtube.com/watch?v=_ecFW1nmcRM
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