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4日(木)、麻薬取締法違反の疑いで起訴されたミュージシャンで俳優のピエール瀧被告(51)が、保釈保証金400万円を納め23日ぶりに保釈された。
保釈の際に報道陣に向かって深々と頭を下げて27秒間静止すると、集まった一部のファンからは「ピエール頑張れ」「めげるなよ」などの声も飛んでいた。
しかし、この謝罪風景を報道することに、一体どのような意味があるのだろうか?

有名人が保釈されるたびに繰り返される謝罪の光景について、マーケティングアナリストの原田曜平氏(42)は「言っているコメントも杓子定規だし、黒いスーツで出てきてまるで行事になってしまっている。
彼らにとっては、ここからが禁断症状を断ち切るなど本当のスタート。にもかかわらず、ここだけ取り上げて終わりというのが続いているので、意味がない。と持論を展開した。

これに対して「誰が何に対して謝っているのかが全く分からなかった」と話し、ピエール瀧被告に飛んだとされる「逃げるな」の声について疑問を呈したのは、ネット時事問題に詳しい文筆家の古谷経衡氏(36)だ。
古谷氏は「瀧さんが迷惑をかけたラジオやテレビの関係者に謝罪をするのであれば理解できるが、今回のケースは世間様に対して。

これは一種の通過儀礼で、これをしなければ社会の共同体に戻って来られないというのであれば、日本は完全なトライブ社会。
被害者がいない犯罪であることを考えれば、法を犯したことについて謝罪をするとしたら裁判官であって、報道陣ではない。記者と思われる人物からは、瀧さんがその場を後にする際に『逃げるな』という声すら飛んでいた。
一体いつから、記者が正義をまとうようになったのか……」と困惑した様子で感想を語った。

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「薬物犯罪を減らすために必要なのは、謝罪ではなく、治療計画だ」と未来志向で報道の在り方について主張したのは、漫画家の江川達也氏(58)。
江川氏は「謝罪よりも大切なのは、今後の依存症治療。このような謝罪を報道するのを止める代わりに、専門家も並べて、これからどういう風に依存症治療を行っていくかを説明した方がよほど社会貢献になる」と話した。

その意見に同調したのは、薬物犯罪には被害者がおらず、ある意味「加害者と被害者が同一人物である」とかねてから話している元日経新聞記者で作家の鈴木涼美氏(35)。
鈴木氏は「作品を楽しみにしていたファンの方々に、ガッカリさせてしまったという意味で謝りたい気持ちがあったと考えれば、(深々と頭を下げた)気持ちは分からなくもない」とピエール瀧被告が27秒間、
深々と頭を下げたことに理解を示す一方、薬物問題に関しては「ペナルティに重きを置くより、更生に重きを置いた方が社会としては豊かになる。一定のペナルティを課すことは必要だが、助けが必要な人であるという捉え方をすべき。
更生施設に入った後、どのように復帰したか、ということをしっかりと報道した方がいい」と、薬物犯罪をいかにして社会全体の教訓とするか私見を述べた。

最後に「ピエール瀧被告の保釈条件について知りたい」と話した国際政治学者の舛添要一氏(70)は、同日4日にオマーンの会社に日産自動車の機密費を支出して会社に損害を与えた特別背任の疑いで
4 度目の逮捕となった日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)の件を引き合いに出すと「ゴーン容疑者の場合は保釈の時に多くの保釈条件が報道された。

今回の場合も同様に、保釈時に薬物治療の条件を付けるはずだが、その点が一切報道されていない。現在、ピエール瀧被告は一時的に病院に入っており、5月の末には執行猶予付きの判決が下るだろうが、
大切なのはこの半年。専門施設や専門病院に入ると思われるが、そういったことをしっかりと報道して欲しい」と、江川氏同様に報道に対する注文も忘れなかった。

2019年4月7日 15時46分 AbemaTIMES
http://news.livedoor.com/article/detail/16280193/