この日、新宿末廣亭の寄席に出た松之丞さん。タイミングよく岡村さんもその高座を初鑑賞。
人気者ふたりの初顔合わせやいかに!?(略)

岡村 女性と仕事の話をすることは一切ない。打てば響くし、話し甲斐もあるし、みたいなことならいいと思うんですけど、
なかなかないですよね。松之丞さんは、昔の芸人がよく言う、「飲む打つ買う」みたいな遊びが芸の血となり肉となる、
という考え方については賛同できますか?

松之丞 まったくできないですね。そういう時代もあったと思います。でも、いまはもう、将棋で言うと羽生名人みたいな感じですよ。
あの人、将棋以外に興味なさそうじゃないですか。ああいう名人像のほうが、芸人でも多いと思います。

岡村 たしかに。野球選手なんかもそうかもしれない。

松之丞 大谷選手だって、野球以外に興味なさそうですしね。きっと彼は野球が一番楽しいんですよ。
岡村さんはどうなんですか? 世代としては、ちょうど上と下の世代に挟まれていそうですけど。

岡村 ええ、僕より上の世代には、何をやっても芸の血となり肉となるみたいな芸事に対する神秘性を持っている人は多いですよね。
僕自身も、人に会ったりということが、作品の血肉となることがあるほうですね。

松之丞 例えば歌手だと、お酒を飲むことは喉に負担をかけますよね。それでも飲んだほうがいいこともあるんですか。

岡村 うーん、芸事という意味での善し悪しはわからないですけど、お酒を飲んだからできるコミュニケーションや会話はあるんですよ。

松之丞 なるほど、そうか。

岡村 ミュージシャンは特にそうかもしれない。お酒を飲んで初めて見えた街の景色みたいなものを血肉化している人は多いですね。
あとお酒で、惨めったらしい気分になることもあって、それもまた血となり肉となります。(略)

松之丞 前から聞きたかったんですけど、岡村さんの歌詞って、モテない男の感情が生々しく描かれているじゃないですか。
本当にモテてきたわけでもないのかもしれない、と思えるんですよ。

岡村 モテてきた歴史ではないです。逆にモテてたら、こういう感じにはなってないですよ。周りにモテモテの人っていました?

松之丞 バレンタインチョコを30個もらっているやつがいましたね。

岡村 真逆です、僕は。

松之丞 僕はその30個もらっているやつから7個ぐらい譲ってもらっていました(笑)。モテないことへのイライラはありました?

岡村 イライラというか、いかんともしがたいな、とは思いましたね。ただ、そうやって自分の思い通りにならないことのほうが、
ある時は念となり、ある時は願いとなり、また、ある時は苦しみとなって、詞や音楽になるなと。

松之丞 だから岡村さんの歌は男にも共感されるんでしょうね。ウソがない。一方で、それをぶつける音楽の世界は、
モテてるやつが多い世界でもあるわけですよね。

岡村 でもいろいろ見ていると、モテることに対する考察はけっこう深いです。ステレオタイプのモテそうな感じと、現実は乖離してますよ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190203-00010559-bunshun-ent&;p=1
https://amd.c.yimg.jp/im_siggFowuDxAEcAHA.3Lji6FOBg---x900-y599-q90-exp3h-pril/amd/20190203-00010559-bunshun-000-2-view.jpg