2019/1/22 16:12
https://www.j-cast.com/2019/01/22348566.html?p=all

 都立高校で撮影された「教師が生徒をパンチ」動画をめぐり、テレビで専門家が今どきの若者・生徒らの動画事情を解説した。
その実情に、共演者らからは「えーー」「恐ろしいな...」という感想がもれた。学校で教師が教室に入り、生徒全員がマスクをしていると、教師は風邪を心配するのではなく、別の理由で警戒して身構えるというのだが...
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生徒と教師と動画の新関係(写真はイメージ)

■「息をするように動画を撮って...」

 2019年1月22日の「ひるおび!」(TBS系)は、東京・町田市の都立高校で、生徒と口論になっていた50代の男性が生徒の顔を殴るなどした様子が動画撮影され、ネット上で拡散した問題を取り上げた。
動画をめぐる概要や騒動は、J-CASTニュースも18日記事(「『炎上させようぜ』 都立高『教師パンチ動画』殴打直前の会話」)で伝えている。動画の前段部分では、生徒が「うるさいよ」「幼稚だよ」などと挑発的な発言を繰り返す様子が映っていることや、撮影者とみられる別の生徒が「ツイッターで炎上させようぜ」と話している声も記録されていることも報じていた。

 22日の「ひるおび!」は、「インターネット上の犯罪やトラブルに詳しい」(番組より)コメンテーターとして、グリーの社会貢献チーム、小木曽健マネージャーを招いた。一連の動画内容をパネルや映像で紹介すると、出演者らの中からは、ひとつの可能性として、動画撮影を念頭に、教師を挑発して反応を見ようとしたのではないか、殴ってくるように仕向けたのではないか、といった推測も披露された。

 若者たちと動画の関係について、一般論として小木曽氏は
「息をするように動画を撮ってネットにあげます」
と説明。例として、
「学校の先生が教室に入って(生徒)みんながマスクしてたら、『風邪をひいてるのかな』とは思わないんですよ。誰かが今、スマホで動画撮影してるかもしれないって、身構えるんですよ」
という話を紹介。するとMCの恵俊彰氏は
「えっ?(マスクは動画に)顔が映らないようにするために?」
と驚いていた。他の共演者らからも
「えーー」
「恐ろしいな」
といった感想がもれていた。

■ 動画への注目度の高さがステータスに

 小木曽氏はさらに、若者たちの心理として、自身があげた動画に「いいね」が多数集まり、拡散されれば、「俺はスターだ」と感じるなど、動画が注目を集めることはステータスになっている、とも解説した。
また、今回の動画については、
「動画から何かを判断してはいけない、というのは基本なんですけど」
とことわったうえで、「あの先生は殴らない」と思っていたら、動画のような展開になり、周囲の生徒も驚いたのではないか、と指摘。明言はしていないが、他の生徒らも動画撮影を事前に知っていた可能性があることを示唆した、とも受け取ることができる発言だった。

 その後、スタジオでは、挑発した生徒やその保護者の側の問題点や、事情はどうあれ、教師が生徒に「手をあげる」のは許されない、といったコメンテーターらの論評が続いた。
当該の高校の校長は18日に会見を開き、教師による体罰を認め謝罪した。生徒側には落ち度はなかったとの認識も示しており、22日の「ひるおび!」では、「生徒側に落ち度なし」の認識へ疑問を呈する声も出ていた。