2019.1.19
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前澤友作氏

 オンワードにミキハウス…。インターネット衣料品通販ZOZOTOWN(ゾゾタウン)から有名ブランドが続々と退く姿勢をみせている。同様に撤退を決めた有名アパレルブランドの役員が夕刊フジの直撃に「あまりにもビジネスの方向性として合致しない」とZOZO(ゾゾ)の経営手法に首をかしげた。

 昨年末には「五大陸」や「23区」などを手掛けるオンワードホールディングスが退店を決め、年明けには子供服ブランドの「ミキハウス」を取り扱う三起商行が商品の出品を見合わせた。

 止まらない“ゾゾ離れ”は、昨年12月25日から始めた「ZOZO ARIGATO」が原因だ。有料会員になれば全品10%割引を受けられるというユーザーにとってはまたとないサービスだが、ブランドとしては自社サイトからゾゾに顧客が流出したり、ブランド価値を下げる懸念がある。

 ゾゾ広報部は撤退を表明しているブランドに対し、「詳細の理由につきまして、弊社からはお答えいたしかねます」と回答したが、新たに撤退の意向を示した有名アパレルブランドもこのサービスが理由だ。

 このブランドの運営会社役員は「新たなキャンペーンが始まったことで、一部店舗では、実物を見た上でネット購入する動きがあった。アウトレットへの出店や割引を基本的に行わないわが社にとっては、あまりにもビジネスの方向性として合致しないと判断した」と撤退に向け着々と準備を進めていると語った。

 この会社には、昨年末にキャンペーンの実施を知らせるメールが送付され、年明けにはゾゾタウンへの出品を見合わせた。撤退の意思表示をした後、ゾゾから継続に向けた提案もあったというが、取締役会での合議も済ませており、方針に変わりはないという。

 同役員によれば、ゾゾタウンに出品するための手数料は、他社のネットショッピングサービスよりも大幅に高く、その他にもクーポンや商品の物流経費がかさむという。さらなるキャンペーンの負担は、出店するブランドにとって痛くない訳もない。

 「同業他社から問い合わせが相次いでいる。すでに他社でも店舗での調査を始めたり、一部商品の撤退を決めている社もあると聞く」といい、方向転換に向けて舵を切った会社もあるようだ。

 夕刊フジの取材では、「パーリーゲイツ」などのゴルフウエアを取り扱うTSIグルーヴアンドスポーツや、「4℃」などのジュエリーブランドを手掛けるFDCプロダクツがすでに出品を見合わせている。

 アパレル業界の“#MeToo運動”が起きているということか。