【芸能 激動2018(3)】
ビートたけし(71)が立ち上げ、自身の名前を冠した「オフィス北野」から独立する――。
3月14日付の本紙スクープで明るみに出た前代未聞の騒動は芸能界に衝撃をもたらした。
女性パートナーと新事務所を設立したたけしと、“殿”から独り立ちを迫られた「たけし軍団」。
稼ぎ頭を失った「オフィス北野」がつまみ枝豆新社長(60)の下、経営危機を脱するため再出発を図っている。

今年3月、オフィス北野から看板である「北野武」の名前が消えた。
本紙が報じた奇妙な独立騒動は、同社の森昌行社長(当時、65)への不信感に端を発したものだった。
幹部らへの多額報酬など金銭面の不透明さに嫌気が差しての行動で、たけしは愛人とされる女性パートナーとともに新事務所「T.Nゴン」を設立。
“殿”の意志を継いだ「たけし軍団」と森氏の間でメディアを通じて舌戦が繰り広げられた。

新たな展開を見たのは11月末。オフィス北野は森氏に代わって枝豆が新社長に就任し、ダンカン専務(59)とともに再出発を切った。
“殿”の離脱により「売り上げの8割が消えた。たけし軍団が稼働して仕事を取らないとジリ貧になる」(関係者)と危機感をにじませている。
当面は、枝豆新社長によるあいさつ回りなど地道な営業活動でリカバーするしかなさそうだ。

新体制にあたり経費削減も推し進めた。
新事務所もこれまで倉庫として使っていた場所に移転。
枝豆社長は約2分の1の広さになった本社にダンカン専務とともにほぼ毎日出勤している。
スタッフも約30人から10人弱に縮小。
「当初は毎月2000万円の赤字という話でした。今は何とか会社を維持できるレベルに落ち着いた。枝豆さんは真剣に取り組んでいる」(関係者)と立て直しに全力を注いでいる。
深刻なのはタレント不足の問題で、お笑い部門も残っているのは若手ら数組だけ。
新しい人材の発掘も急務となっている。

◆オフィス北野 
1986年にフライデー襲撃事件を起こし、太田プロダクションを退社したたけしが、テレビを通じて深い関係を築いてきた森氏とともに88年に設立したプロダクション。
92年に森氏が社長に就任し、文字通り両輪として引っ張ってきた。
映画ビジネスを本格的に軌道に乗せたのは森氏の手腕が大きい。
「あの夏、いちばん静かな海。」(91年公開)から同事務所が製作に乗り出し、「キッズ・リターン」(96年公開)からは映画配給事業も手がけている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181215-00000061-spnannex-ent