高校駅伝強豪校の一部で、選手生命を奪いかねない鉄剤注射が不適切に使われていた。

 国立スポーツ科学センターの蒲原一之医師によると、人体は食事で取った鉄分の約10%しか体内に吸収しない。15歳以上の女性の場合、厚生労働省が示す1日の食事による鉄分摂取量の上限約40ミリ・グラムを取ると、吸収されるのは4ミリ・グラムだけだ。

 鉄剤注射は、1回で40ミリ・グラムの鉄分全てが直接、血中に入るため鉄分過剰になりやすく、肝硬変や心不全の恐れがある。蒲原医師は「過剰摂取は体の本来の能力も低下させる。選手には致命的だ」と指摘する。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181209-OYT1T50039.html