日本相撲協会は29日、東京・墨田区の両国国技館で定例理事会を開き、10月に協会を退職した元貴乃花親方(元横綱)の花田光司氏(46)に対し、約1000万円とされる退職金に加えて「功労金」を支払うことを決めた。在職中は協会と対立するなどした花田氏だが、理事会で特に異論は出なかったという。

 日本相撲協会が懐の深さを見せた。対立が深刻化し、電撃的に退職した花田氏に対し、約1000万円とされる退職金に加え、協会への貢献度などに基づく「功労金」を支払うことを決めた。金額は協会の「理事」を4期8年務めた実績が考慮され、「理事経験者」扱いで算出。12月11日に開かれる評議員会で承認を得る。

 花田氏は昨年10月に元横綱日馬富士が弟子の貴ノ岩へ起こした傷害事件に端を発した一連の問題で、協会との対立姿勢を深めた。不信感を募らせ、協会の調査に疑義を訴える告発状を内閣府公益認定等委員会へ提出(のちに取り下げ)するまでに発展。役員としての忠実義務を問われて史上初の理事解任処分なども受けた。

 9月25日には会見を開き、引退(退職)届を提出したことを表明。この際、傷害事件をめぐり、協会から圧力があったとも取れる説明を行った。花田氏は協会側と和解することなく、10月1日付で退職した。

 しかし、芝田山広報部長(元横綱大乃国)はこの日の理事会後、功労金などの支払いについて「問題なく規定通りに払われる」と説明。議論にはならなかったという。

 退職金は公益財団法人の規定に基づき、在職期間などを含む計算方法で金額が決まる。協会関係者によるとこれとは別に、非公開の功労金は通常、退職金を上回る金額になるという。

 花田氏は横綱の現役引退時に支払われる特別功労金(現在は非公開)で、歴代最高額の1億3000万円が贈られた。

11/30(金) 7:00配信 サンケイスポーツ
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