広島から国内FA権を行使した丸佳浩外野手(29)。獲得に名乗りを上げた巨人と東京都内で行った入団交渉に際して、
人気球団ならではの“洗礼”を浴びていた。

 24日に丸と交渉した巨人・原辰徳監督(60)は一夜明けた25日、自宅のある東京都目黒区で開催された「目黒シティラン」で
スターターを務めた。ランナーからの声援にグータッチで応え、「少なくとも目黒区民は巨人ファンが多いと感じました」と喜んだ。

 大役を務めた後は報道陣に対応し、かねて予告していた背番号シャッフルに言及。おいの菅野智之投手(29)は「19」から
エース番号「18」への変更を打診されると、謙虚に「いいんでしょうか?」と応じたが、「智之しかいない」と背中を押したという。
一方、本紙記者が「8番はどうなりそうか」と尋ねると、「逆に聞きたいよ!」と困ったような笑顔を浮かべた。

 前日に丸にラブコールを送った席では、自身も現役時代に背負った空き番の「8」を提示したとみられる。

 交渉の日程は極秘裏に設定された。24日午前、丸が球団行事で広島市内の神社に参拝後、新幹線で東京に向かったとの情報が
現地から在京メディアに届き事態は急展開。交渉場所も不明だったため、報道陣は品川、東京の両駅で待ち構え、品川駅到着後タクシーに
乗り込んだ丸を追って、カーチェイスが繰り広げられた。追いかけっこの末に都内のホテルが突き止められ、交渉後には
巨人側だけが報道対応した。

 丸サイドが水面下で交渉を進めたくても、人気球団を追いかける在京メディアは「はい、そうですか」とは引き下がらない。
カーチェイスのような無用な混乱を避けるため、事前に取材対応の予定など必要最低限の情報がメディア側に周知されるのが近年の傾向だ。

 丸がプロ入りから接してきた地方メディアとは距離感がだいぶ違うだけに、「そこまでするか」と戸惑いや恐怖感を抱いても
不思議はない。同じ関東の球団でも、ロッテならここまで過熱しない。広島残留か、移籍なら巨人かロッテか。初めて体感した
“巨人マスコミ”への印象も、人生最大の決断を下す上で重要な材料となりそうだ。(笹森倫)

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