皇室
両陛下が静岡の「ねむの木学園」へ

毎日新聞2018年11月25日 19時57分(最終更新 11月25日 20時58分)

(写真)
ねむの木学園の利用者たちに、両陛下を迎える際に披露するダンスを指導する宮城まり子さん=静岡県掛川市で、山田奈緒撮影


 天皇、皇后両陛下は27〜28日、私的旅行として静岡県を訪問される。7月に予定したが、西日本豪雨による各地の被害を考慮し、取りやめていた。今回の訪問先はほぼ当初の予定通りで、
初日は50周年を迎えた掛川市の障害者施設「ねむの木学園」を見学する。創立者の宮城まり子さん(91)は両陛下と40年来の親交があり「成長した学園を見ていただきたい」と心待ちにする。

 学園は1968年、肢体不自由児の養護施設として浜岡町(現御前崎市)に設立された。宮城さんは子供たちに絵やダンス、歌などの芸術を教え、絵画作品などを美術展などで広く社会に発信した。

 両陛下は76年、住まいだった東宮御所に宮城さんを招いた。子供たちが描いた絵を見せてもらうためだった。宮城さんは「すてきな絵だと言ってくださった」と振り返る。

 両陛下は94年には学園に足を運んだ。皇后さまは東京都内などで美術展を度々鑑賞してきた。宮城さんは「私も子供たちも『帰ったらイヤ』とダダをこねてしまうほど、皇后さまはみんなの母のように優しい」と話す。

 学園は97年に現在の場所に移転し、「ねむの木村」と呼ばれる一帯には、作品を集めた美術館「どんぐり」や特別支援学校などが建つ。宮城さんは、交流を続ける両陛下について「理屈ではなく(学園利用者との)触れあいを楽しまれている」と考えている。

 両陛下の私的旅行は、宮内庁の側近らの提案で2013年に始まり、今回で9回目。訪問先は両陛下の希望を踏まえて決まる。海外訪問などで日系人と交流を重ねてきた両陛下は、28日には日系人らの日本語学習を支える「浜松市外国人学習支援センター」も訪ねる。【山田奈緒】

https://mainichi.jp/articles/20181126/k00/00m/040/044000c