放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は「ブーム」と一部で報じられた「グレイヘア」について。

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 7日、ユーキャン『新語・流行語大賞』に30語がノミネートされ、同日と翌日は、ニュース、スポーツ紙、ワイドショーなどが大きく報じていた。

 毎年、「え?そんな言葉、使ってる人いないよね」とか、「こんな言い方しないよね」「もっと他にあったんじゃないの?」などとツッコむ声が多数あがるものだが、今年は「だいたい知ってる」「確かに流行っていた」「使っていた」というコメントがSNSなどで目だった。
 
 そんな中、比較的若い人たちが「何、それ?」「全く知らない」と首を傾げるのが「グレイヘア」だ。

『日刊スポーツ』によれば、「白髪をあえて染めず、色合いを生かした髪形。元フジテレビアナウンサーの近藤サト(50)らが実践して、『年相応ですてき』と評判になった」と解説されている。

 この数年、ナレーターとして番組クレジットに名前が出ていた彼女が、コメンテーターとして出演し、その過激なコメントでプチ炎上を繰り広げていたのは、ここ1年程のことだろうか。『バイキング』(フジテレビ系)でも、病欠していた西川史子センセイの代打で出演した『サンデージャポン』(TBS系)でも、わざと過激なことを言っているように見えて、ネットなどでは「狙ってるの?」「なんか必死っぽい」とのリアクションがあったものだ。

 実はその頃から、グレイヘアだった近藤サト。ネットでは「なんで染めないの?」「怖すぎる」「老けて見える」などと、さんざんだったのだけれど、彼女なりの考えが女性誌や新聞などで紹介されるようになってから、一転、「素敵」との声が上がることとなった。

 なんと、20代後半から「白髪を染めなくてはと追い立てられていたようだった」という彼女。20代から白髪に悩まされていたとは、そういう体質なのか、それとも苦労が髪に出てしまっていたのだろうか。古い話で恐縮だが、不倫略奪婚、離婚、再婚を比較的短い期間でやってのけた彼女は、後者である可能性もあったように思えてならない。

 だが、「自然体でいたい」と40代後半になって白髪染めをやめたというのだ。実は彼女がそのことを語り始めた当初は、「東日本大震災」というワードを出し、避難袋の中に白髪染めを入れている自分に大きな疑問を感じたという内容のコメントをしていた。それほどまでに白髪染めとつきあいが長く深かった、彼女なりの想いや考えは理解できなくはない。

「潔い」という声を否定するつもりも全くないのだが、「それを流行りのように報じるのは無理がある」という声も多かったものである。

 彼女がナレーターを務めている『ビビット』(TBS系)はいち早く「ブーム」というVTRを作り、特集していたけれど、「カラーリング剤やウィッグのメーカーがスポンサーについているワイドショーではなかなかやれないネタではないか」と指摘する広告代理店の女性がいて、なるほどなと思ったのも事実である。

>>2以降に続きます

2018.11.11 07:00
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