ここ数年のハロウィンは大騒ぎするのが風物詩となっており、特にスクランブル交差点をはじめとした東京渋谷の喧騒は毎年ニュースで取り上げられるほどだ。
痴漢や盗撮、暴行などの犯罪によって逮捕される人も毎年出ており、翌朝に出ている大量のゴミも問題になっている。

しかし、近年はこの話題の裏でテレビ局がおかしな演出を加えているというから最悪だ。

「ワイドショーにとってハロウィンの大騒ぎはありがたいネタです。渋谷に行けば必ず何か問題が起こっているので、その姿を映すだけでもニュースになります。
ただ、最近は一部のやりすぎな人々が出てきたおかげで参加者も減っています。
これではおいしい映像が撮れないため、局によっては『仕込み』を入れています」(情報番組プロデューサー)

仕込みとはどういうことなのだろう。

「それぞれの番組のスタッフは過去に渋谷で過激な行動に出た人の連絡先をキープしています。そこに連絡を入れて渋谷に来てほしいと頼むんです。
『暴れてほしい』とはさすがに言えないものの『おいしい映像が撮りたいんです』とお願いして、謝礼を払うわけです。
相手は意図を理解してカメラの前でいろいろパフォーマンスしてくれます。スタッフにとってカメラマンを連れていったのに何も撮れませんでしたじゃシャレにならないので、こうした仕込みを用意しているわけです。
実際、最近は大騒ぎする人間が限られてきたので、仕込みを入れないと撮れ高が不足することもあるんです」(同)

撮れ高が欲しいのは理解できるが、仕込みとは本末転倒だ。大きな騒動が起こらないのが本来の渋谷ハロウィンの姿かもしれないのに、わざわざ騒ぎを用意するとは最低としか言いようがない。

さらに、危険な騒動を仕込もうとする人間までいるという。

「今年は渋谷区が危険性を考慮して近隣のコンビニなどに瓶に入ったアルコール飲料を売らないように要請しました。

その効果がどう出るかはわからないものの、テレビ局は『それでも瓶を持った若者が出現した』というストーリーが欲しいので、瓶ビールを持っていって路上に置いてくると話していたディレクターもいます。
実際に持ち込めばさすがに警察官にバレるでしょうが、おいしい画が撮れたとしてもそれによって誰かが大けがする恐れがあるので、やりすぎですよね」(テレビ番組放送作家)

これを実行したら、やりすぎというよりもはや犯罪の教唆ではないのか。なぜ、ここまでしなければならないのか。

「昔は放っておいても人が集まっていましたが、今は嫌悪感を持って近づかない人が多いんです。しかし、局からは必ず騒動を撮ってこいと言われるので仕込むのは仕方がないんです。
以前も荒れる成人式を撮らないといけなくて沖縄や福岡などに行きましたが、そのとき中には衣装代を出して花火まで渡して暴れさせた局もあったんです。
結局、撮ってこいと言われたものが撮れないとクビなので、こっちも必死です」(制作会社ディレクター)

仕事上の立場は理解できるが、やはり行動は理解できない。たしかに昔は本当に暴れる人がいたのだろうが、それが少なくなったからと言って呼んで来て良いわけがない。

今や渋谷のスクランブル交差点にはハロウィン期間中に数百名の機動隊員が配備され、早朝にはボランティアの皆さんがゴミ拾いをしている。
こうした形でイベントを歪ませる行為は決して許されるべきではないだろう。

http://dailynewsonline.jp/article/1553923/
2018.10.31 08:30 トカナ