青学大陸上競技部の原晋監督(51)が22日、TBS系「ひるおび!」(月〜金曜前10・25)に生出演。21日に行われた全日本実業団対抗女子駅伝(11月25日、宮城県)の予選会で、2区の岩谷産業・飯田怜(19)が第2中継所200メートルほど手前から、はいつくばりながらたすきをつないだ件についてコメントした。

 3区にたすきをつないだ場面の映像を放送した後で感想を求められた原監督は「これはもう、駅伝の光と影を見ましたよね」と切り出し「やっぱり仲間の絆。これを、たすきが渡らなかったら次の走者は失格になりますからね。影のほう『ここまでやらなきゃいけないのか!』というようなね。視聴者の方も感じた方もいらっしゃると思いますけど。でもこれが駅伝なんですよね」と語った。

 はいつくばってまでたすきをつなぐことについて、原監督は多くの社会人チームでは合宿所で共同生活を送っていることを紹介し、「夏合宿ともなると何十人も1カ月近く同じ屋根の下で強化合宿をしていますけど、苦しいことも一緒にやってきた仲間の意識が強いんで、ただたすきを渡すだけではなくて、そこには家族としての。個人競技だったらまずやめていますね」と駅伝の特徴を語った。

 飯田がはいつくばった200メートルの様子について、白線の上を選んで進んでいる冷静さを指摘しつつ、原監督は「これで終わっちゃうと棄権なので、チームとしての成績がなくなるというようなところ。『じゃあ仲間と1年間頑張った努力は何だったのか』というのはありますよね」と胸中を推測。「会社の社員の皆さん、チームにはトレーナーと栄養士さん、監督・コーチ、家族、すべてが、皆さんの支えがあって(選手は)この駅伝に出させてもらっていますからね。ただ、決して一人で背負わないで欲しいですよね」とおもんばかった。

 同日の大会では、3区で三井住友海上・岡本春美(20)が棄権となった。番組では、岡本が走行中に蛇行をはじめ、途中棄権となるまでの経緯を紹介。原監督は「そろそろルール改正といいますか、申し合わせ事項というものを作らなければいけない時期にきている」と語り、気温の上昇で大会中にアクシデントが起こりやすくなっていると指摘した。

 箱根駅伝ではルール改正が行われ、昨年から選手の状態を知るために選手の体に触れても良いと明文化されていることを紹介し、この女子駅伝を主宰した実業団連盟に向けて「次年度以降のルール改正を話し合うべきタイミングだと思います」と提案した。

 飯田はレース後に右脛骨の骨折で全治3〜4カ月と診断された。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181022-00000560-sanspo-spo