シーズン途中に、巨人の高橋由伸監督が電撃辞任を表明。後任は、“ジャイアンツ愛”を掲げる原辰徳の再登板となった。球団にとっての第1希望は松井秀喜と言われるが、当の本人はまるでその気がないという。なぜ、松井は監督就任を断るのか。理由は“家族愛”のようで……。

 高橋監督の辞任が発表されたのは、10月3日のこと。就任から3シーズン経っても5奪回が出来ない以上は、やむを得ないということなのだろう。しかし、後釜がまた原辰徳では、新鮮味に欠けるというものである。

「球団としては、本来、一番にやってもらいたいと思っているのは松井です」

 とは、さる運動部記者。

「彼には常にオファーをしていて、3年前もそうでした。松井に断られ、仕方なく高橋にお鉢が回ったのです。今シーズンが始まる前、松井が宮崎キャンプを訪問するために来日した際にも、高橋の次ということで、GMや球団担当者が打診しています」

 無論、そこでも断られ、辿り着いたのが今回の人選。スポーツ紙記者によると、

「昨年13連敗のワースト記録を作った頃から、次期監督に阿部慎之助の名が浮上していましたが、彼が現役に拘ったために失敗に終わった。そうこうしているうちに、神奈川の東海大出身ということで、横浜DeNAが原に食指を動かしていることが分かったんです」

 敵に獲られるぐらいならと先手を打った。その結果、前回の就任中に女性スキャンダルも暴かれ、決して紳士とは言えないが、原に決定したというのだ。

資産は40億円

 それにしても、松井がそこまで巨人の監督就任を固辞するのは、なぜなのか。

「メジャーに行く際、ナベツネさんが好条件を提示して慰留しました。それでも気が変わらないため、“ここまでしてなんで頭を下げないんだ”と激怒したのです。以来、松井と読売との間には軋轢があると言われてきました」(前出の運動部記者)

 この点については、時間も経っているゆえに、恩師である長嶋茂雄終身名誉監督が動けば話は別だが、球団関係者によれば、

「長嶋さんは今夏に黄疸が出て倒れて入院しました。現在は、一時の危機は脱し、特別室の中に器材を運び入れて、リハビリしています」

 頼みの綱は、長引く入院で体力的に衰え、説得や交渉が出来る状態ではないという。そのうえ、メジャー通の記者によれば、

「米国暮らしが根付いているんです。2人いる息子のうち、長男は幼稚園に通っていますから、なかなか環境を変えるわけにはいきません。しかも巨人で監督をするとなると、プレッシャーに晒される。松井は資産40億円と言われ、金に困っていません。ヤンキースの1軍コーチを打診されたのに、家族を優先するためにGM特別アドバイザーになったぐらいですからね」

 いずれ監督になるにせよ、子供が成長するまでは、巨人のユニフォームに袖を通すことはなさそうなのだ。

「週刊新潮」2018年10月18日号 掲載


10/19(金) 5:58配信 デイリー新潮
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