女優の有村架純が18日、映画『かぞくいろ−RAILWAYS わたしたちの出発−』完成披露試写会に出席し、シングルマザー役に挑戦した同作について「寄り添って演じられればいいな」と思いを振り返った。
この日は國村隼、桜庭ななみ、歸山竜成、木下ほうか、筒井真理子、板尾創路、青木崇高、吉田康弘監督も登壇した。

本作は、人生を鉄道になぞらえて描く映画『RAILWAYS』シリーズ最新作。鹿児島県から熊本県までを結ぶ「薩摩おれんじ鉄道」をモチーフに、愛する人を失った3人の家族の再出発を描き出す。
有村が演じた晶は、亡き夫の連れ子である駿也のシングルマザーで、この役どころについて有村は「母親というものがどういう役割をしているのか分からないところではあったので、自分自身が晶に寄り添って演じられればいいなと思っていました」と振り返る。

 また、電車が大好きな駿也のために晶が、鉄道の運転手を目指すことが見どころとなっている本作。
先輩運転手で晶を指導する水嶋を演じた板尾は「僕が演じるベテラン運転手はわりと厳しい役だったんですけど、もっと厳しくしたら良かったかな」とジョークで切り出して「女の人が電車を運転するというのは新鮮。運転手を目指す姿がけなげで、一生懸命さや必死さが伝わってきましたね」と有村を称賛した。

 そんな本作は吉田監督のオリジナル脚本となるが、物語に込めた思いについて監督は「大切な人を失った悲しみをどう乗り越えるか。下を向くなとか、前を向けと声高に言う映画ではなくて、悲しみを抱えて一緒に生きていくような、人に寄り添った映画を作りたいと思って。映画は現実と地続きであるべきだと思っているんですが、鹿児島にこういう家族がいるんだなという思いをめぐらせてもらえたらと思いながら作りました」と口にした。

 監督の言葉を聞いた有村は「映像も美しいですし、風景も楽しんでいただける作品だと思います。家族のあり方とは何だろうかと、改めて考えさせられる優しい作品なので、楽しんでいってください」と観客に呼びかけていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『かぞくいろ−RAILWAYS わたしたちの出発−』は11月23日より鹿児島・熊本先行公開 11月30日より全国公開

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