出雲駅伝2位の東洋大が、「暴力パワハラ問題」に揺れている。上級生4人から暴言や暴力を受けたと訴え出たのは、9月に退部した元1年生部員の橋本龍君（18）だ。その思いを本誌・週刊ポストにこう語った。

「東洋に進学したのは悠太さんの母校だからです」──設楽悠太（Honda）といえば箱根駅伝で区間賞3 回、チームを2度の総合優勝に導いた立役者だ。
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「中学3年で初めて埼玉県代表に選ばれた2015年の都道府県対抗駅伝で2区走者の自分が区間賞で、3区の悠太さんに襷を渡して初優勝した。力を出せなかった年は『次は頑張れ』と励ましてくれたし、そうした縁もあって、大学は東洋と決めていた。でも今は裏切られた思いです」（橋本君）
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8日の出雲駅伝での東洋大の健闘についても、「もうレースに興味を持つことはできませんでした。個人的に応援している選手はいたので、複雑な心境で見ていた」（同前）という。
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橋本君の実名告白は『週刊文春』（10月18日号）に掲載され、さらにネット上には酒井俊幸監督が「暴行」を認める発言をした際の音声データも公開された。
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東洋大学広報課は暴力問題について「ふさわしくない言動を確認した」とはするものの、むしろ「（橋本君の）反抗的な態度に（上級生が）我慢の限界を越え」たという原因を強調する。一方、橋本君も「自分にも非はあった」と認めるが、理不尽な暴力はあったと訴える。問題を複雑にするのが、“加害者”とされる選手の顔ぶれだ。今季の主力メンバーが含まれている。
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橋本君の寮生活での指導係だった上級生は、1年生で箱根駅伝に出場したエース格で、今季の箱根路でも主力区間を任されることが確実視されている。他にも暴力行為があったとされる上級生には、三大駅伝での区間賞経験者がいる。
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当事者の言い分が食い違う場合、第三者による検証がなされて然るべきだが、そうした調査がある場合、箱根駅伝への出走、大会までの調整に影響も出てくる。それゆえ、問題を大ごとにしたくないのでは──被害者側に、そうした疑念が芽生えるのも当然だろう。橋本君の母親は憤る。
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「息子が暴言と暴力に耐えかねて寮から姿を消した際も、大学側は帰ってくるのを待っているだけというか、捜索願についても、“（大学として出すには）上の許可が……”といった発言があったり、大ごとにしたくない姿勢に見えた」
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そうした不信があって、騒動は拡大した。第三者による検証について、東洋大は「学生間トラブルとして解決を見ているという認識なので、予定はない」とするのみだった。
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※週刊ポスト2018年10月26日号

10/16(火) 8:17
NEWS ポストセブン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181016-00000007-pseven-spo

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