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織田裕二と鈴木保奈美が共演したフジテレビのドラマ「東京ラブストーリー」(1991年)が14日から、平日午後の再放送枠「メディアミックスα」(月〜金午後3時50分)で放送中。関東ローカル枠だが、伝説の"月9"だけあって、ネット上も賑わせている。

「10月スタートの月9『SUITS/スーツ』に織田が主演し、その上司役で鈴木が出演することもあっての、戦略的な再放送です。平日午後とあって現役世代はオンタイムで見られず、視聴率は1ケタ台前半と数字には反映されませんが、"録画視聴派"に新ドラをアピールするのが目的です」(テレビ誌記者)

ネット上では、当時夢中になった現在のアラフォー、アラフィフの「懐かしい」「やっぱりよくできた作品」という声に交じり、バブルを体験していない若い世代からの書き込みも目立つ。その多くは「電話がデカイ」「公衆電話」「CRTモニター&FDDのPC」「デスクでたばこ」「肩パッド」「セーターをパンツイン」「もはや時代劇」などなど、四半世紀以上前の文化への驚きや揶揄なのだが……。いずれにせよ、視聴率以上の話題になっている。

「そういう"時代の差"を感じるのも楽しみ方のひとつですが、東京ラブストーリーのすごいところは、30年近くたった今でも、物語の本質である"キュンキュン"に引き込まれるところにあります」と指摘するのは、テレビコラムニストの亀井徳明氏だ。

当時をよく知る亀井氏は「それはプロデューサーの大多亮氏(現フジテレビ常務取締役)の手腕」だと、こう続ける。

「1980年代末から90年代、ドラマが脚本家や演出家主導だったTBSに対し、フジテレビはプロデューサー主導型で成果を上げていました。東京ラブストーリーの脚本は当時新人の坂元裕二氏。大多氏は坂元氏に何度も書き直しを命じたと聞いています。絶妙なタイミングでテーマソングが入り、CDもミリオンヒットさせるという王道パターンをつくったのも大多氏。"月9"の神様的存在です」

振替休日の24日は第7話。本放送時に22・4%を記録し、それ以降、最終回まで視聴率は上がり続けて最終回の第11話には32・3%に達した(ビデリサーチ調べ、関東地区)。つまり、ちょうど今日から一番盛り上がる展開になる。

カンチ(織田)とリカ(鈴木)を見て、「SUITS/スーツ」が見たくなるかどうかは別として、伝説的ドラマの"キュンキュン"に触れれば、ときめきを忘れつつある中高年の癒やしになるか。

2018年9月23日
日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/238041/1