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2018/09/18(火) 20:00:35.05ID:CAP_USER9筆者はこれまで多くの監督に話を聞いた経験がある。サッカー観を触発される監督に、数多く出会ってきた。故ヨハン・クライフはそのひとりになるが、リージョもけっして負けてはいない。
クライフはスーパースター。現役時代の憧れもあるので、その分ポイントは高くなるが、リージョは14歳のときに選手としての道を断たれたプロ選手経験のない指導者だ。見た目もクライフとは対照的。圧倒的に地味だ。その話には、だからこそ惹きつけられた。
純粋に話が面白かった。なにより口を突いて出てくる言葉が新鮮だった。ひと言でいえば哲学的。といえば「オシムの言葉」を連想するが、サッカー観をくすぐられる言葉という意味では、リージョの方が勝る気がする。こちらより年下(52歳)なのに言葉に含蓄がある。つい、オシムと同じぐらいの年配者から話を聞かされているような錯覚に陥るのだ。
新たな視点、概念を提供してくれるので、サッカーの奥の深さを伝えられたようで、サッカーへの興味はさらに膨らむ。日本の指導者からまず聞くことはできない類の話が、次々と飛び出してくるのだった。
リージョは監督時代、年上の選手からこう言われたことがあったそうだ。
「あなたは1000年ぐらいプレーしてきたような知識を持っていますね。これまで指導を受けてきたプロ選手経験のある監督より、あなたから学んだことの方が断然多い」
リージョが監督になったのはなんと15歳。21歳のときに、スペイン代表クラスの37歳の選手を指導した経験もあるという。
さらに言えば、29歳でサラマンカの監督として、スペイン1部リーグの監督最年少記録を樹立(1995−96シーズン)。根っからの監督という、特異な経歴の持ち主なのだ。
こちらが最初にその存在を知ったのは、1996−97のスペインリーグ開幕戦、オビエド対バルセロナ戦だ。このときリージョはオビエドの監督で、年齢は30歳。一方、バルサの監督はボビー・ロブソンで63歳だった。最年少監督対最年長監督の戦いとして話題を呼んだ一戦だった。
面白かったのは試合後の記者会見だ。こちらの耳を捉えて放さなかったのは最年長監督の言葉ではなく、最年少監督の方だった。フアン・マヌエル・リージョの名前が刻まれたのはその時だった。そのひな壇の片隅で、ボビー・ロブソンの通訳をしていたジョゼ・モウリーニョ(当時33歳)も、忘れることができないが……。
リージョをひと言でいうならば「ジョゼップ・グアルディオラが師と仰ぐスペインの戦術家」だ。神戸入りを伝える報道にも、例外なくそのフレーズが用いられていたが、その起源は、実はこのオビエド戦にある。当時25歳だったグアルディオラは試合後、オビエド監督のもとに駆け寄り、こう述べたという。
「あなたはなんでこんなサッカーができるのか」
オビエドはこの試合、2−4で敗れたが、好感を抱かせるサッカーをした。面白さ、いいサッカー度でバルサを上回っていた。2人は、この試合を機に親密な関係に発展していったという。
つづく
9/18(火) 18:01配信 スポルティーバ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180918-00010009-sportiva-socc
写真
https://amd.c.yimg.jp/amd/20180918-00010009-sportiva-000-1-view.jpg