体罰によって、脳に深刻な影響が!
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体操界における暴力やパワハラが世間を騒がせ、議論を巻き起こしました。
スポーツの世界で繰り返される、指導者や年長者による暴力事件。
しかし、体罰が指導・教育に有効であるという実証データはありません。
それどころか、体罰は子どもの脳の発達に深刻な悪影響を及ぼすことが、国内外の研究で明らかになってきました。

【画像】これが体罰を受けた子どもの脳の画像!
https://sp.fnn.jp/image/program/00361861HDK?n=11&;s=nc

厚労省が昨年公表した資料(「愛の鞭ゼロ作戦」)には、体罰や暴言が、子どもの脳に「萎縮」や「変形」などの大きな影響を及ぼすという研究結果が引用されています。
この研究を行った福井大学の友田明美教授によると、子ども時代に厳格な体罰を受けた18〜25歳の男女の脳を、MRIで解析したところ、感情や思考をコントロールする「前頭前野」の容積が、平均して19・1%少なく、萎縮していました。
この領域は,感情や思考をコントロールし、犯罪抑制力に関わっているところです。
さらに集中力・意思決定・共感などに関わる「右前帯状回」も,16.9%の容積減少、物事を認知する働きをもつ「左前頭前野背外側部」も14.5%減少していました。

スポーツ指導での体罰は「逆効果」!

人間が人間であるために極めて重要な部分が、体罰の影響によって育たなくなるというのです。
これらの部分が障害されると、うつ病の一つである感情障害や,非行を繰り返す素行障害などにつながると言われています。
本能的な欲求や衝動を抑える機能が影響を受け、犯罪を繰り返すようなことさえ懸念されます。

なぜ、体罰で脳が萎縮するのでしょうか?
虐待や体罰を受けた脳は、ストレスホルモンを大量に分泌します。
それが、脳の発達を一時的に止めてしまうからです。
以前に受けた体罰を思い出し、うつ状態となり、脳の萎縮が始まることすらあるのです。

スポーツ指導者には、「士気を高める」という理由で、子どもを体罰で追い込む人間がいます。
しかし、脳科学の視点から見れば、それは逆効果でしかありません。
現実には子どもの自発性、やる気をそぐ行為だということがハッキリわかります。

つづく

9/12(水) 18:30配信
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