タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。
多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

東京オリンピックでは、計9万人ものボランティアを募集して、大学生や中高生にまで動員をかけるらしい。
電通と組織委員会は、国民をタダ働きさせようというのか? まさか交通費も自腹か?
という意見をツイッターなどでよく見かけるので、日本ならではの国家総動員体制なのかと不安になって、他のオリンピックではどうだったのか調べてみました。

IOCのサイトでは、オリンピックでのボランティア体験談などの情報を見ることができます。
それによると、2012年のロンドン五輪でも16年のリオ五輪でも18年の平昌冬季五輪でも、数万人規模のボランティアが大会を支えていたようです。

リオ五輪では5万人の大会ボランティアが世界56カ国から集合。うち8割はブラジル、2割は海外からの参加です。
18年の平昌冬季五輪では2万2千人余りの大会ボランティアが活躍したとのこと。
活動のためのユニホームは無料で支給され、1日8時間の活動中の飲食も無料のようです。

アメリカの旅行サイト「Go Overseas」の海外ボランティアのページを見ると、ボランティアには旅費以外に交通費や食費などがかかることがある、とあります。
「東京オリンピックでボランティアするには?」という記事も発見。それによると、平昌では無料で宿舎が提供されたようですが、リオでは宿代は自腹。
で、資金難の人は親にねだるとか、ガレージセールや、クラウドファンディングで捻出しようと書かれています。募集要項によると、東京も宿代は自腹のようですね。

ボランティア=奉仕・タダ働き・動員と捉えるのか、お金ではなく経験を得る活動と捉えるのか。
IOCのサイト(英語)の体験談や、東京五輪・パラリンピック組織委員会のサイトにある、ボランティア戦略の詳しい資料を読んで考えるのもいいかも。

ボランティア活動が身近なオーストラリアに暮らしていると、日本でも気軽に参加する人が増えればいいなと思います。
自分も人もハッピーで、楽しくやれればいいのでは。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180830-00000029-sasahi-spo