体操女子で16年リオ五輪代表の宮川紗江(18)が、日本体操協会の塚原千恵子・強化本部長(71)からパワハラを受けたと告発したことを受け、同協会は30日に都内で「対策会議」を急きょ開き、第三者委員会を設置して調査することを決めた。

前日の会見では宮川から正式な申し入れがあれば調査する、としていたが、一転して方針転換。協会の具志堅幸司副会長(61)は「18歳の少女(宮川)がウソをつくとは思えない」として、問題の全容解明が必要との考えを示した。

 18歳のパワハラ告発会見から一夜明け、協会が真相解明に向け、急ハンドルを切った。「この際、全部の“うみ”を出して新しく出発しないと、東京五輪はあり得ない」。対策会議後に取材に応じた具志堅副会長は、ほかの選手に対してもパワハラがなかったかどうかも含めた調査が必要、と考えを示した。

 宮川が告発したパワハラについて、29日夜の会見で山本宜史専務理事(54)は「宮川選手から(告発が)あれば調査する可能性もあります」としたが、この日は一転、会議でパワハラ問題についての第三者委員会設置が決定。

具志堅副会長は「訴えがなくても当然、迅速に対応しないといけない。協会とは全く関係ない人たちで調査する」と説明した。山本専務理事の呼びかけで30日朝に開催が決まったという。

 宮川は29日、自身への暴力行為で日本協会から処分を受けた速見佑斗コーチ(34)を擁護する会見を開いたが、その中で、塚原強化本部長からパワハラを受けたと発言。

東京五輪に向けた強化プロジェクトへの参加を辞退した際に、強化本部長から「このままだと五輪に出られなくなるわよ」と言われ、また、強化本部長が監督の朝日生命体操クラブに引き込むために「コーチを排除しようとした」と主張。「権力を使った暴力」と表現し、協会からの「パワハラと感じる」と語っていた。

 30日朝、強化本部長の夫・塚原光男副会長(70)はテレビの取材で宮川の発言を「全部ウソ」と反論。これについて、具志堅副会長は「第三者委員会の結論が出ていないのに、『全部ウソ』というのは、非常に残念。

18歳の少女がウソをつくとは思わない」と語った。強化本部長の指導力には「ズバ抜けた才能を持っておられるコーチ」と信頼を置くものの、「自分の有利になる(権力の)使い方はコーチとして失格」と不信感もにじませた。

宮川は「他に被害を受けている選手もいる」とも発言しており、具志堅副会長はその調査について「全部の“うみ”を出す」と表現。

「パワハラの事実があれば大きな問題」として、世界選手権(10月25日開幕、ドーハ)までに調査完了を目指す。宮川が世界選手権代表候補を辞退することには「宮川さんの立場を守っていこうと議論してきた。こういうことになって協会として責任を感じる」と気遣った。

8/31(金) 6:06配信 スポーツ報知
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