8/26(日) 23:01配信
AbemaTIMES

藤井聡太七段、決勝進出! 初代「最速最強」に王手 高見泰地叡王を2勝1敗で下す/AbemaTVトーナメント準決勝

 持ち時間5分、1手につき5秒が加算される超早指し戦「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」の決勝トーナメント準決勝(三番勝負)、高見泰地叡王(25)対藤井聡太七段(16)が8月26日に放送され、藤井七段が2勝1敗で勝ち上がり、初代「最速最強」の座に王手をかけた。1局目に予選から通じて初黒星を喫した藤井七段だったが2局目、3局目と持ち前の鋭さを発揮して、5月に初タイトルを取って勢いに乗る高見叡王を連破。準決勝もう1つのカード、羽生善治竜王(47)と佐々木勇気六段(24)の勝者を、決勝で待ち構えることになった。

藤井聡太七段、決勝進出! 初代「最速最強」に王手 高見泰地叡王を2勝1敗で下す/AbemaTVトーナメント準決勝
対局後に笑顔を見せる藤井聡太七段
 予選で2戦、決勝トーナメントで1戦、計6局を全勝で勝ち上がってきた藤井七段だったが、強敵との戦いを終えた後は「疲れましたね」と初めて疲労を口にした、それほど激しい三番勝負だった。1局目、16歳に全勝優勝を許しては他の棋士含め面目が立たないと気合十分だった高見叡王に押された。序盤こそ藤井七段のペースだったが、高見叡王の巧みな指し回しから、終盤は混戦模様に。意地と勢いを兼ね備えた25歳のタイトルホルダーの前に、今回のルールで初めて苦杯を舐めた。

藤井聡太七段、決勝進出! 初代「最速最強」に王手 高見泰地叡王を2勝1敗で下す/AbemaTVトーナメント準決勝
敗れた高見泰地叡王
 ただ、このままずるずると負けないあたりが、真の強さの証しだ。2局目は先手番の高見叡王に序盤から攻撃を仕掛けられたが、なんとかしのぐとカウンターの一撃で星を取り返した。解説の森内俊之九段(47)が「昭和30年代ぐらいに流行った形」という、変則的な矢倉戦の中、現代風のアレンジを加えて勝利をもぎ取った。

 そして運命の3局目。先手番となった藤井七段が、横歩取りから激しい攻め合いに挑んだ。強敵相手の3局目、集中力を保つだけでも大変な状況の中で、攻守のバランスをうまく取った藤井七段の指し手がさらに輝いた。

 これでいよいよ決勝進出。準決勝もう1つのカードでは、今回のルールを着想した羽生竜王と、公式戦の連勝記録を「29」で止められた佐々木六段、いずれかと対戦することになった。「ここまで9戦指してきて、だいぶ感覚もつかめてきたというところもありますし、また結果も残すことができたので、決勝でもこれまでの経験を活かして、自信を持って戦いたいと思います」。まさに伸び盛りの16歳は、トーナメントの階段を1つ上がるごとに、身も心も大きくなる。


◆AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治竜王が着想した、独自のルールで行われる超早指し戦によるトーナメント。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生竜王が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選は藤井聡太七段が登場するAブロックからCブロックまで各4人が参加し、各ブロック2人が決勝トーナメントへ。シードの羽生竜王、久保利明王将を加えた8人で、最速・最強の座を争う。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180826-00010012-abema-soci