爆笑問題・太田光が咆哮している。8月8日発売の「週刊新潮」(新潮社)が、太田の“日大・裏口入学疑惑”をスクープしたのだ。記事によると、太田の父が指定暴力団組長の愛人の娘と知り合い、裏口入学ネットワークを使って、太田を日本大学藝術学部に入学させたという。入試直前、太田をホテルに缶詰めにして、日大の現役教員が指導をしたそうで、太田の父は日大側に800万円もの大金を支払ったと伝えられている。

 これが真実ならば、立派な“裏口入学”だが、太田は猛反論を展開。12日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「まずやってないです。缶詰めなんてない」と記事の内容を真っ向から否定。「親父が何をやっていたかは、もう亡くなっているので、もうわからないですけど」と困惑していた。

 7月にも、文部科学省の前科学技術・学術政策局長、佐野太被告(受託収賄罪で起訴)が、私大支援事業の便宜を図る見返りに、今年2月の入試で、息子を不正に東京医科大学に合格させてもらったという事件が起こった。同事件においては、同大の臼井正彦前理事長と鈴木衛前学長が贈賄罪で、また仲介役とされる元医療コンサルティング会社役員の谷口浩司被告が受託収賄ほう助罪でそれぞれ起訴されているだけに、もし太田の裏口入学が事実であれば、今後、芸能人生命を揺るがす大事態に発展しそうだが、弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士は、「裏口入学うんぬんについて、刑罰はありません」と述べる。

私立であれば、誰も罪に問われない

 山岸氏いわく、今回の一件では、日大が私立大学である点がポイントになるという。

「私立大学に関する法律には、『一定の目的をもって入試の点数を操作してはいけない』といった内容のものはありません。ほとんどの私大には、寄付金制度というものがありますが、『寄付金を多く払ってくれた人物を優先的に合格させる』というのも、それはその私大の判断となるわけです」

 そのため、私大に裏口入学を依頼した人、承諾した私大関係者、その仲介役が罪に問われることはないのだという。日本医科大の裏口入学事件は、佐野被告が公務員という点が問題であり、山岸氏は「贈賄罪が成立するのは、“公務員”に対して賄賂を贈った場合です」と指摘する。

 受託収賄罪も同様で、「公務員が、請託を受けて、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、7年以下の懲役に処される(刑法197条)」とあり、“公務員”に限定されている。

 どの選抜方法を採るかは、その私大まかせ……一般受験者やその家族にとっては、私大側に不信感を募らせる一因になり得る事実だが、今後、裏口入学に関する決定的証拠が出てきたとしても、売れっ子の太田がテレビから消えるといった事態にはならなさそうだ。

 太田の裏口入学疑惑をめぐっては、妻の太田光代も「新潮」に怒りをあらわにしている。Twitterで「訴えます!民事と刑事両方で。訴えます。残念ながら訴えます」「アーリン(太田)父様に侮辱を。死んでいる人に確認のしようが無いのを。とと様はもう七回忌を迎えているのよ。許さない。絶対。許さない」と投稿し、すでに顧問弁護士事務所に委託書を出したことも報告している。

「名誉毀損で訴える場合、民事は、『名誉毀損を理由とする不法行為(民法790条)に基づく損害賠償請求や、謝罪文請求』を行うということです。刑事は、刑法230条の犯罪です。一般人は、『刑事で訴える(刑事訴訟を提起する)』ことはできないので、『捜査機関に刑事告訴する』ということになります。刑事告訴を受けた捜査機関が捜査をし、その後、検察官が起訴するということです」

 先述の通り、太田本人は、父が裏口入学を依頼していたことの真偽は「わからない」とのこと。「新潮」がどれほどの確証を持って報じているのかは定かではないものの、騒動の中心人物である太田父が故人である以上、裁判が泥沼化する可能性も否めないだろう。

 太田自身は、光代の「訴えます!」宣言に対し、「正直、裁判なんて……。裁判どうこうなんて言うと、うちのかみさんにこう(手で口をふさがれるジェスチャー)される」と困惑している様子で、山岸氏も、光代氏に対して「熱くなりすぎない方がいい」と助言する。裏口入学疑惑をテレビやラジオ、ライブなどでネタにしている太田だが、今後、裁判に発展した際、何を語るのだろうか。注視していきたい。


2018.08.13
http://www.cyzowoman.com/2018/08/post_197371_1.html