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◆ジェットコースタードラマを彷彿

 もともと朝ドラは、「ブランドの強さで、どんな作品でも視聴率17〜19%は取れる」と言われています。それに加えて『半分、青い。』は、予想をはるかに上回る急展開の連続と、それによる刺激の強さで、視聴者を引きつけているのではないでしょうか。

 そのイメージは、1990年代前半に流行した「展開の早さと大きさで感情を上下動させる」ジェットコースタードラマ。戸惑っても、批判をしても、「次はどうなるのか」「もっと刺激的な展開があるのでは」と気になってしまう人がいるようなのです。

 事実、ネット上に目立つ批判のコメントも、見ているからこそ書けるものですし、なかには批判をするために見ている人もいるでしょう。この状況は、「声があがらない作品よりも、賛否両論ある作品のほうが視聴率は上がりやすい」という昨今の風潮を表しているとも言えます。

 もう1つ、高視聴率をキープしている理由として考えられるのは、梟町(ふくろうちょう)のメンバーに対する期待感。鈴愛の両親である宇太郎(滝藤賢一)と晴(松雪泰子)、祖父の仙吉(中村雅俊)と弟の草太(上田海成)、律の両親である弥一(谷原章介)と和子(原田知世)、同級生の木田原菜生(奈緒)と「ブッチャー」こと西園寺隆之介(矢本悠馬)の人気は高く、「梟町のころはよかった」などのフレーズとセットで批判をする人は少なくありません。

◆残り8週間の放送でも、約10年間が描かれる

 梟町のメンバーには、もちろん「同じ日に同じ病院で生まれた運命の男性」である律も含まれています。『半分、青い。』を見ているほとんどの人は、「お互い別の人と結婚した2人に、いつ恋愛模様が訪れるのか?」が気になっているのではないでしょうか。

 放送開始前、制作サイドは「ヒロインが高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明をなしとげるまで、およそ半世紀の物語を紡ぎだしていきます」と発表しました。つまり、9月29日に迎える最終回までの残り8週間(48話)で、私たちが生きる現在までの10年前後を描くようなのです。

 鈴愛が一大発明をなしとげるまでの日々や、運命の男性・律との結末は、どんなペース配分で進められるのか。やはり賛否の声をあげながらも、最後まで見る人が多い気がします。