永野芽郁(18)演じるヒロイン鈴愛が高度成長期から平成までを生き抜く、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』。目まぐるしい展開に一部では「ついていけない」と批判の声も出ているが、それでも連日、20%超えの高視聴率なのはなぜなのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

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「エッ、もう子ども産まれたの?」「あれ?! いつの間に5歳?」 今週の『半分、青い。』を見ていた大半の人はそう感じたのではないでしょうか。これまで何度か視聴者を驚かせてきたハイテンポな展開が、さらに加速しているのです。

 4月2日(1話)のスタートは【1971年】で、ヒロインの楡野鈴愛はCGの胎児でした。翌日の4月3日(2話)で生まれたあと、4月4日(3話)には9年後の【1980年】になり、鈴愛(矢崎由紗)は小学3年生に。その後、4月14日(12話)には9年後の【1989年】になり、鈴愛は高校3年生(永野芽郁)になっていました。

 高校編が3週間半放送されたあとの5月9日(33話)に【1990年】となり、鈴愛は漫画家になるべく上京。漫画修行と萩尾律(佐藤健)との別れを5週間に渡って放送したあと、6月13日(63話)には2年が経過して【1992年】になり、6月18日(67話)に鈴愛は漫画家デビューしました。さらに2日後の6月20日(69話)にはデビューから3年が過ぎた【1995年】に突入。6月23日(72話)には帰郷して律と再会したものの、突然のプロポーズを断ってしまいました。

 6月26日(74話)には4年が経過して【1999年】になり、連載を打ち切られ、律の結婚を知った鈴愛は7月4日(81話)で漫画家を引退。翌7月5日(82話)に100円ショップ『大納言』でアルバイトをはじめ、森山涼次(間宮祥太朗)と出会いました。翌週の7月12日(88話)には涼次から早くもプロポーズを受け、【2000年】になった7月16日(91話)に結婚式。出会いから結婚式までの放送は、わずか10話分という朝ドラ史に残るスピード結婚でした。

 7月24日(98話)には結婚生活が2年経過して【2002年】に。3日後の7月27日(101話)には鈴愛の妊娠が明らかになり、翌7月28日(102話)には娘を出産。7月30日(103話)には【2003年】に入り、娘が1歳の誕生日を迎えました。7月31日(104話)には5歳の誕生日を迎え、4年後の【2007年】に。8月2日(106話)には【2008年】になり、8月4日(108話)では離婚が決定。結婚から離婚まで、わずか18話というスピード離婚でした。

◆博多華丸と高瀬耕造アナも困惑

 ここまでの18週108話を西暦で振り返ると、1971年(1話)→1980年(3話)→1989年(12話)→1990年(33話)→1992年(63話)→1995年(69話)→1999年(74話)→2000年(91話)→2002年(98話)→2003年(103話)→2007年(104話)→2008年(106話)。まるで、主要駅に飛び石で停車する急行列車のように、年月が進んでいくのです。

 昨年の同時期に放送された『ひよっこ』は、約4年間をじっくり描いた各駅停車のような作品だっただけに、その違いは歴然。他の朝ドラと比べても、年月の進み方はめまぐるしく、視聴者を驚かせています。

 実際、7月31日の『あさイチ』で恒例の“朝ドラ受け”をした博多華丸さんは、「何かと早い!カレンダーめくるのが早い」「もうちょっと紆余曲折ちょうだい!」「ついていけない」と困惑。翌8月1日には『NHKニュース おはよう日本』の高瀬耕造アナも、7時59分の朝ドラ開始間際に「ちょっと見逃すと家族構成まで変わってしまいかねないような急な展開になっているんです」とコメントしていました。

 ネット上の声を拾ってみても、明らかに批判の声が目立つようになっていますが、視聴率はほとんど変わらず20〜23%の高水準をキープしているのは、なぜなのでしょうか。

>>2以降に続きます

2018.08.04 07:00
https://www.news-postseven.com/archives/20180804_732949.html?PAGE=1