不振により2軍で調整中の阪神・藤浪晋太郎投手(24)が2日、鳴尾浜での残留練習に参加。4日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)に向けてブルペン投球などで調整した。1軍はチームも先発投手陣も苦しい状況だが、まずは自身の復調が最優先。苦境に立たされた今の思いを激白した。

 静まりかえった鳴尾浜のブルペンで、乾いたミットの音が響く。1球1球に汗をしたたらせながら、藤浪が気迫の80球。降格後初めての実戦に向けて、念入りに感覚を確かめた。

 「悪くなかったです。いろいろ試しながら投げられました。一度失った信頼はそう簡単に取り戻せるものではないと思う。すぐ上がれるとも思っていないですし、まずは目の前の自分のできることをやっていきたい」

 思いを吐露したが、言葉には悲壮感がにじむ。今季は9試合に先発も2勝3敗、防御率6・34。直近の7月26日広島戦(甲子園)ではプロ最短の0回1/3でKOされた。1人目の打者からストライクが入らず4四球の乱調。後半戦のキーマンに名を挙げていた金本監督も「見ての通りの結果」と嘆き、事実上無期限での2軍調整が決まった。

 「使ってもらえる、もらえないは自分のコントロールできることではないので。それ以外の、自分の技術を上げるだとか、いいピッチングをするとか、自分のスキルを上げるとか。自分のコントロールできる範囲のことにしっかり集中していきたいです」

 7月27日に出場選手登録抹消されたが、5日には夏の甲子園が幕を開ける。母校・大阪桐蔭の春夏連覇へ向けての戦いが始まるが、かつては自身も輝きを放った舞台。そのほど近くの鳴尾浜で、ただ黙々と汗を流す日々。一方でチームは1日の中日戦(ナゴヤドーム)に敗れ、単独最下位に転落した。

 何よりもチームの勝利が最優先。だからこそ、もどかしい思いを胸に、灼熱の鳴尾浜では敢えて自分と向き合う。通常メニューを終えた後も居残りで福原2軍投手コーチと、投球を想定したキャッチボールを行うなど試行錯誤。自らのベストを模索してきた。

 「対バッターでどうかというところもありますが、まず自分の中でどういうピッチングができるのかというところ。チーム事情どうこうとかを考えているようなレベルではないので。そういうことよりも自分のこと」

 まずは4日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で先発。そこから失った信頼を一から取り戻す。 (箭内桃子)

★今季の藤浪

 開幕ローテ入りしたが、勝ち星のないまま、4月20日の巨人戦(甲子園)で5回9安打6四球6失点で今季初黒星。あまりの大乱調に2軍降格となった。3度のウエスタンでの先発を経て、6月3日の西武戦(メットライフ)で昇格したが、5回1/3を6安打7失点と試合をつくれず。6月15日の楽天戦(楽天生命)で7回途中無失点の好投で、2017年5月4日以来407日ぶりの白星。7月26日の広島戦(甲子園)で、4四球の大乱調でプロ最短となる0回1/3でのKO。無期限の2軍調整となった。

18.8.3 05:03
http://www.sanspo.com/baseball/news/20180803/tig18080305030003-n1.html