<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:コロンビア3−0ポーランド>◇1次リーグH組◇24日(日本時間25日)◇カザン

 “終わった”ポーランドを侮るべからず−。H組のFIFAランク最上位の8位ポーランドは、コロンビアに0−3で敗れ、2連敗で1次リーグ敗退が決まったが、過去のワールドカップ(W杯)では敗退後の試合で2戦2勝と意外な強さを発揮している。ポーランド広報文化センターによると「最後に何とかする」国民性という。決勝トーナメント進出をかけて28日に同国と対戦する日本は、過去の対戦成績では2戦2勝と分が良いが、油断は禁物だ。

 第2戦での早すぎる敗退決定に、ポーランドの選手らはピッチでぼうぜんと立ち尽くした。大会屈指のストライカーで主将のFWレバンドフスキ(29=Bミュンヘン)は厳しいマークに2戦無得点。「我々はできることはすべてやった。相手が強かった」と完敗を認めるしかなかった。

 失意の中で迎える日本との最終戦は、レバンドフスキが外れると一部で報道されている。さらに日本には過去2戦2敗。不利な条件が並ぶが、実はポーランドはここからが怖い。02年日韓大会では2連敗の後に米国に3−1で快勝。06年ドイツ大会でも2連敗後に、コスタリカに2−1で逆転勝ちした。準決勝の敗者同士が対戦する3位決定戦でも74、82年に勝利。すべての試合でメンバーを落とさず、力を尽くす美学を貫く。

 なぜ、最後まで力を緩めず戦うのか。そこにはポーランド人が持つ、あきらめない姿勢“ザワトフィチ”の精神がある。「何とかする」「土壇場でやり抜く」「帳尻を合わせる」などを表す言葉。ポーランド広報文化センターの担当者は「高速道路など建設工事が大幅に遅れることがままありますが、ポーランドの人たちは、それを最後には何とか間に合わせてしまう」と一例を紹介。「土壇場に強い、という気質があります」とも。最後良ければすべて良し。勝利を求め、今までにない力で向かってくる可能性は十分ある。

 日本の5分の4ほどの国土にサッカー場は1万以上もあり、国民は老若男女問わずサッカーをこよなく愛する。子供たちは、貧しい家庭で育ち、幼少期にコンクリートのピッチで技を磨いたレバンドフスキの背中を追う。欧州屈指の古豪のプライドをかけ、“ザワトフィチ”のポーランドが日本の前に立ちふさがる。

 ◆1次リーグ(L)2連敗チームの3戦目 32チームで争われる現行方式になった98年大会から前回大会まで、1次L初戦から2連敗したチームは計29チーム。その3戦目は通算8勝8分け13敗で、勝ち点3を獲得する確率は27・6%。2連敗チーム同士の対戦を含むとはいえ、最後に意地を見せるケースは意外に多い印象だ。欧州勢に限ると、4勝1分け2敗と白星が先行。ポーランドは1次リーグ敗退が決まっていた02年と06年大会で2戦2勝だ。02年大会では1次L突破の可能性のあった米国に3−1で勝っている

6/26(火) 4:57配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180626-00249845-nksports-socc